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2010年04月06日23:59

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ヒルダが祖国に帰らないほんとうの理由。

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おヒルことヒルダの父方の祖父は、ナチス党員で医師だったが、東ドイツの田舎で死ぬまで開業医として表に出ない条件で、イスラエルのナチ・ハンターのリストから削除された。
このことは家族のなかでも秘密中の秘密だったのだが、祖父の同僚が残した日記を入手したネオ・ナチの連中が、おヒルの父親を“聖なる血筋”として祭り上げてきたことから、状況は一変した。

現在のドイツにおいて、ナチであることは、我が国の感覚でははかりしれぬくらいに、想像を絶する複雑な感情が入り乱れる、“傷跡”なのだ。

「ブリキの太鼓」の著者として知られるギュンター・グラスでさえ、ナチスに関わっていたことを告白するや、ドイツのある大学ではグラスの著書がすべて廃棄処分になり、ネオナチはグラスを祭り上げるという極端な毀誉褒貶ぶりが横行した。

そういうわけだから、ヒルダの父は、おヒルに「もしおまえが望むなら、引き続き日本で勉強しなさい」と言い、元より日本になみなみならぬ興味を抱いていたおヒルは二つ返事で了解した。

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おヒル自身はナチス党員であった祖父をどう思っているのか?
それを聞いたのは、へタリアおたくの馨で、やたらとおヒルに軍服コスプレを迫りながら、事情を知り、そう質問して・・・

「おじいちゃんは自分の仕事をしただけだと聞いています」という答えだったというのに、私は思わず心のなかで拍手をした。

私の祖父は戦時中はナチスを支持していた。
その理由は、ヒトラーが好きだったからではなく、どの国よりも軍服がかっこよかったからというものであった。
孫の私も全く同じ理由で、ナチスを心から愛している。
世界でいちばん美しいデザインの軍服、それがナチス親衛隊のユニフォーム・・・

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それゆえに、同じ感覚を抱く人々は、美女との組み合わせにナチスを使ってきているわけである。ちなみにいちばん最初にやってのけたのは、皮肉なことにユダヤ人のメル・ブルックスであった。

そして私を決定的にナチス信者に仕立て上げたのが、映画「愛の嵐」である。



即ち、絶対的な支配者の象徴としてのナチス、その黒い軍服と革靴にひれ伏す快楽・・・

その完成された図式があるからこそ、ナチスは今日まで愛されているのだが、ナチスをいまだにファシズム、政治的な象徴に持って行きたがって、興醒めなものにしてしまっているのは、ネオナチとイスラエルを始めとしたユダヤ人たちである。

ヒルダの父は言う、「ユダヤ人はともかく、ネオナチの連中は熱心な割には、トゥーレ協会を知らないんだ」。

註)トゥーレ協会についてはウィキを参照あれ。ヒルダの祖父はゲルマン騎士団に在籍していた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%AC%E5%8D%94%E4%BC%9A

その通り。
我が国の右翼結社もほとんどがそうなのだが、若手のなかで神武天皇からの歴代天皇の名前を暗唱出来る者は皆無に等しい。
つまり、熱心さのベクトルをはき違えていて、天皇陛下とナチスをダシにしてツッパリたいだけである。

私はどちらかというと右寄りで、三島由紀夫が体現した官能的右翼であると言うことにしているのだが、一回憂国忌に出向いていって、三島と森田を烈士として崇める右翼と大喧嘩をしたことがある。
というのは、右翼側は三島が官能的だったことを認めようとせず(もしくは完全に無視して)、ただ、ただ、日本を憂えた烈士として讃えたいのに、私はそれらすべてを否定したからであった。
これと同じように、ネオナチもナチズム自体が一種の官能主義から出発したことを認めようとしない、空っぽの烏合の衆である。

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ここまでくれば、賢明なる読者諸君はそろそろヒルダの父がなにゆえにおヒルを帰国させたくないのかが分かってきたことだろう。

ネオナチとは全く違う、根っからの官能主義者としてのハーケンクロイツ崇拝者だからである。

現在のドイツでは、ハーケンクロイツの本来の意味さえも失われてしまった、ヒルダ、おまえは日本でしっかり勉強して、おまえのなかのスワスティカを輝かせてくれ・・・

そしておヒル自身は、お寺の地図上の記号が卍と表示されることに運命的なものを感じ、そこから日本を深く愛するようになった。

ヒトラーもナチスも関係ない、すべては自分自身が勃起、あるいは濡れることが出来るもののために・・・ヒルダは祖国を捨てたのである。

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