http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=7623#1
この映画はピーター・ストラウブの原作を読んで、あまりにも打ちのめされたので、映画化されているというのをあちこち探し回ってレンタルで観た。
映画は映画で原作のずっしりした重みにはさすがに負けてはいたが、老優たちの渋い演技は原作以上のものがあった。
彼はたずねた。「エドワード・ワンダレーという男の名前を聞いたことがあるか?」
少女は答えなかったが、顔色を変えずに彼を見つめた。
「どうなんだ?」
「その人、誰?」
「おれの叔父だった人だ」と彼が言うと、少女はほほえんだ。
「シアーズ・ジェイムズという男はどうだ?」
少女は首をふりながら、相変わらずほほえんでいた。
「リッキー・ホーソーンという男は?」
もう一度、少女は首をふった。これ以上続けても無駄だ。なぜわざわざたずねてみたのか、自分でもわからない。そんな名前を聞いたことがない可能性だってある。いや、もちろんそんな名前を聞いたことがないのに決まっているのだ。
・・・・・・
これまでの人生で、きみがしたいちばん恐ろしいことはと言えば、どんなことだ?夜中に、九歳の少女が寝ているベッドのそばで、服を脱いだことか?そのときナイフを握っていたことか?そのナイフで少女を殺そうとしたことか?
いや、もっと恐ろしいことがある。
(若島正・訳より引用)
冒頭で一人の少女を誘拐して車でひたすら南へと南下する主人公。
少女に老人たちの名前をたずねて、ナイフをちらつかせるという衝撃的なシーンからかつて起きた恐ろしい出来事が次々と明らかになっていくという物語の何というスリリングな読後感。
是非、映画とあわせてお楽しみ下さい。
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