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2009年03月22日23:17

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筋肉ストリップへの夢。

お彼岸である。
今回は永代供養墓をチェックしている最中(ほんとうはチェックしなくてもいいのだが、形式上ちゃんと毎年やることになっている)に、興行師の一家だったNさんのことを思い出した。
祖父の代では女相撲で大もうけしたというところで、

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父の代で豪遊したために、せっかくの財産が尽き、Nさんの代ではほんとうに苦労した。
Nさんの時代は、1970年代、高度成長期で、三十半ばにして興行師として社会の荒波へと船出した際の「出し物」は、国際劇場近くの小屋でのストリップであった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8A%87%E5%A0%B4

吉原や全国の色街からスカウトしてきた美女に松竹仕込みの踊りを習わせて、老舗のフランス座にもゲスト参加させたりして、結構羽振りがよかったそうである。
当時、三歳になるかならないかの私も祖父に連れられて、ストリップ小屋に入ったのだが、覚えているのは、毒々しい赤とどピンクの照明と、むせかえるような白粉の匂いである。
国際劇場が取り壊しになったとたん、周辺の小屋も立ち退きせざるを得ず、Nさんも五十手前で重い糖尿を煩い、平成十六年の秋に亡くなるまで寝たきり生活を続けた。

永代供養墓は、祖父の代で作ってあったので、支払いの心配は葬式代だけだった。
そこで、私は葬式代を先払いすることを提案し、お金の代わりにストリップ興行のノウハウなど、Nさんの持てるすべてを伝授してくれるってのはどう?と持ちかけた。
Nさんは布団のなかでニヤッと笑い、あんたならきっと最高のストリップがうてるよと快諾し、亡くなる前日まで私にあれこれと話してくれた。

そのなかで、Nさんが思い描いていたストリップの演目に、「筋肉美女」があった。
文字通り、マッチョな美女がストリップをするのである。
女相撲で財をなした家として、その系譜としてマッチョな美女で博打を打とうという意気込みであった。
「でも、日本人じゃあ、貧相でしょ?外人さんを呼ばなきゃあ」と私。
「うん、女子プロレスじゃあキレイな筋肉してんのいねえもんなぁ」とNさん。

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だから、もっぱら私が提供した海外の雑誌を眺めて、これは使える、これは使えないとプロ興行師として真剣に評価していた。
その時のNさんは実に生き生きとしていて、とても末期とは思えなかった(すでに足を切断していて、内臓もボロボロだった)。

アマゾネスみたいな筋肉美を誇る美女もいいけれど、バレエダンサーのような華奢な筋肉美もいいねぇ、なんて言っていた。

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その過程で、私はNさんにマンガ雑誌をすすめた。
今は亡きヤングマガジンアッパーズで、

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BA

目玉は三家本礼先生の「巨乳ドラゴン」であった。

Nさんは巻頭カラーで華々しく登場する巨乳のストリッパーたちを眺めて、みんな似た顔だねぇと笑っていたが、登場キャラの一人が人気投票を独占するために客のナニをしゃぶっていたのには、興行師の顔になって、コレほんとうにあったんだよ、しゃぶるだけじゃなくって春も売ってたんだ。バレた時点ですぐクビにしたよ・・・としんみり語った。

当時、ストリップは、今以上に風俗とは一線を画するというキッチリしたボーダーラインというものがあり、立派な芸能だったのだ。
だから、国際劇場があった時は、前座で修行中の松竹の若手が剣劇ショーを披露することがよくあった。

「巨乳ドラゴン」、いいねえ、こういう硬派なオンナだったら俺の理想の筋肉美ストリップに出せるな・・・と、ほんとうに毎号楽しみにしていた。
不幸なことに、アッパーズは休刊(事実上の廃刊)に追い込まれたけれども、不幸中の幸いだったのが、Nさんがそれを知らないまま、「やっぱり娯楽はエログロだよ」と言い残して永眠したことだった。

それを思い出しながら、私はNさんが眠る墓に向かって手を合わせ、私の好きな筋肉美女を思い浮かべた。

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加えて、骨壺と一緒に入っている、ぶんか社発行の「巨乳ドラゴン」の単行本を思い浮かべ、

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映画「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のストリップシーンを思い浮かべ、



最後に、筋肉美女たちの華麗なるポージングを思い浮かべた。







最後の動画が特に、Nさんの理想に近かったのではないだろうかと。
合掌、南無阿弥陀仏。


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