夜、寝る前に妻が言った。「明日は大雨みたいね」
10日前にまた雨漏りがあった。これで何回目になるのだろう。4月以来、強い雨が降るたびに、2階と3階の天井の隅から雨が漏っている。そのたびに連絡して、考えられるところを対策してもらうのだが、一向に止まらない。
しかも、それまでは2階だけだったのに、8月に入ってからは3階のパソコン部屋まで漏るようになった。パソコンを打っていると、ポト、ポト、と音がする。何の音かと思って上を見上げると、エアコンにかかるようにして雨が漏っている。
連絡した3日後に、いつもの建築士が来て、考えられる場所に耐水ボンドを塗り込み、さらに屋上には2メートル四方ほどのシーツをかけた。「これで大丈夫でしょう」ということで、しばらく様子を見ることになった。
ところが、その翌日、強い雨が降った。そして、また漏った。連絡すると、今度は防水業者と一緒に来るという。考えられるところをコーティングした。それでも漏る。ということは、そもそも雨水がどこから入り込んでいるのか、まだ分かっていないらしい。
屋上に上がってみた。かけたシーツはめくれていない。ところが、そこで気になるものを見つけた。塔屋、つまり屋上への出口になっている建物の雨樋。その先の部分に、ひびが入っている。
「ひょっとして、これじゃないか?」雨樋から流れてきた雨水が、ひびの入ったところから建物の中へ入り込んでいるのではないか。そこで、とりあえずタライを持ってきて、その下に置いてみた。妻に話すと、「私も前からそこは気になっていた」という。
試しに小雨の日に見てみると、タライにはすでに半分以上も雨水が溜まっていた。考えてみれば、塔屋の雨がまとまって雨樋から落ちる。雨樋の高さは4メートルくらいある。そこから雨水が落ちてくるのだから、かなりの勢いになる。しかも、ほぼ同じところに集中して当たっている。
これだけの水が同じ場所に落ち続ければ、ひびから水が入り込んでも不思議ではない。もし、このタライで雨水を受けることで、今日の大雨のあとに雨漏りが止まれば、原因はかなり絞り込める。そうなれば、ひびの入ったところをコーティングし、雨樋の先端も付け替えて、水の流れる方向を変えればいい。
果たして、これでどうなるか。4月から何度も繰り返してきた雨漏りとの格闘も、ひょっとすると、ようやく犯人にたどり着いたのかもしれない。あとは、今日の大雨を待つだけだ。そう思うと、厄介な大雨が、ちょっとした楽しみになってきた。
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