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2026年01月12日18:43

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Facebookから転載

山本 学司

「還元力のある塩」の有害性

リコエンザイムソルトなどと呼ばれることもあるが、いまなお「還元力のある塩」が体に良いと思っている人は少なくない。
そこで、改めてごく簡単に整理しておく。

まず、塩に含まれるとされる「還元力」の正体は、いわゆる“抗酸化作用”のような、体に良さそうな言い回しで曖昧に語られるものではない。
その正体は、単純に硫化物である。

そして、岩塩などにおいて、その主因になりやすいのが硫化鉄だ。
硫化鉄は固体の状態では比較的安定しているが、水に溶けると、その表面で水中の水素イオンと反応し、硫化水素(H₂S)を生成する。

硫化水素は水に溶けやすい一方で揮発性も高いため、水に溶かした際には硫黄臭として知覚される。
この硫化水素は、人の消化管、とくに腸の粘膜層であるムチン層に溶け込む。

ムチン層は、腸管上皮細胞を外界から隔てる最前線の防御層であると同時に、多くの微生物が住み着く生活空間でもある。
硫化水素は還元性を持つため、ムチンを架橋しているジスルフィド結合に作用し、その結合を切断する。

その結果、ムチンの粘性は低下し、構造は流動化しやすくなる。
これは、腸管バリア全体が直ちに壊れるという意味ではない。
しかし、腸管バリアの第一層であるムチン層が弱体化することを意味する。

さらに言えば、これは粘膜防御能の低下であると同時に、ムチン層に住み着いていた微生物の「住処」を壊すことにもなる。
この状態が継続すると、硫化水素そのものが、腸管上皮細胞に物理的・化学的に作用しだす。

その結果、腸管上皮細胞のミトコンドリア機能が影響を受け、ミトコンドリア内のシトクロムcオキシダーゼが阻害されるようになる。
ミトコンドリア機能の低下が続けば、ATP産生は低下し、細胞の維持機構そのものが不安定になる。

例えば、トランスポーターの生産能力低下や、タイトジャンクションの緩みなどがそれにあたる。
これはミネラル、ビタミンなど必要な栄養素が吸収できなくなると共に、本来吸収するべきではない毒素などが“漏れて”入る腸となる方向。

ぬちまーすや雪塩などの硫酸塩が多い塩も、腸内細菌の「硫酸還元菌(SRB)」が関与すらことで、同じ結果になる。
このように、硫化水素が上皮細胞に作用している状態がさらに長期化すると、変異原性を伴う可能性が出てくる。

変異原性とは、DNAに意図しない変異が生じることを指す。
つまりこれは、腸管上皮細胞のDNAが変異する可能性が高まるという意味である。

まとめると
「還元力のある塩」とされるものの正体は、硫化物由来の化学的還元性であり、腸内環境にとどまらず、人体にとって直接的に有害性が高い。

それは抗酸化や健康促進といった“カラダに良い還元”などではなく、ムチン層の弱体化を起点として、腸内細菌叢の空間構造を乱し、腸管上皮細胞の代謝を阻害し、条件が揃えば遺伝的安定性にまで影響を及ぼしうる性質のものということ。

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