mixiユーザー(id:12410478)

2019年09月13日06:51

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たまには、文学の話を。ポーとレイ=ブラットベリ。

以下、ネタバレに近い(ギリギリです)ものがありますので、ご注意ください。

私は怠け者です。
だから、最小の努力で最大の効果を上げることを常に考えています。

語学も、同じです。
満足感を得る、これが大切だから、好きな詩や短編を読んで、勉強に代えようという手を良く使いました。

しかし、怠け者ですから、読んだのは本当に短いものです。
漢文 『洩天機』 人の一生の宿命を数百編の詩にして分類したものです。
これは、解散した香草社から翻訳書を出しました。著者は、張耀文、佐藤六龍。漢文書き下し文監修が私です。
これは徹底的に読み込みましたが、
しかし、他の言語は、翻訳を隣に置いて、わからないところは参照するというやり方でした。だから、満足感はあっても、大して勉強になっていません。

フランス語
デュラス 『破壊しにと彼女は言う』
ガリマールのフォリオ(文庫本のような廉価なシリーズ)では、一センチくらいある本ですが、劇の台本ですし、単語レベルは低いです。

『洩天機』は、この世を相対化する。『破壊しにと彼女は言う』は、劇の台本であるから、これは非現実だと一歩引いて、起きた出来事(男女のドロドロの関係)をみる。そして、その相対化、すなわち状況から逃れることが、カタルシスや救いになる。
そういうものが好きかもしれませんが、決定版がポーです。

英語
ポー『黒猫』
これは、辛い物語ですが、なぜか熱中して読みました。
なぜだろうと考えていたら、癒しがあるのです。

死はクリスチャンの嫌うものですが、プルートの模様が、絞首台のようにみえるのは、主人公の贖罪の気持ちです。これは、たまたま、死という破滅を暗示していますが、果たして死ぬでしょうか。仮に死ぬとしても、プルートに対する罪悪感から解放される…という物語ですから、見方によっては非常に明るい物語です。

『落とし穴と振り子』もそうです。ネタバレになるので、詳しくは語りませんが。

『黄金虫』は、暗号解読というより、焦点人物ルグラン(とその従者ジュピター)が、正気に返っていくという物語だと思います。

また、重要なのは、これらは、全部、一人称で書かれているということです。
つまり、『黄金虫』なら、ルグランの行動を最後まで見届けた人物が、事後的に書いているということです。『落とし穴と振り子』も同じです。主人公が生き残ったというところが全ての読解の前提となります。詳しくはネタバレになりますから、省略します。

ポーは、世界文学に大きな影響を与えました。
ボードレール(フランス語訳しました)や、江戸川乱歩などは、非常に見やすい例ですが、
注目しているのは、レイ=ブラットベリ。
彼は、ポーの影響を受けたと公言している人ですが、
この物語は、誰がいつ書いたのだろう…という疑問が、『火星年代記』も『華氏451』も、その作品世界を膨らませます。

小説を書く語り手の位置の問題を発見し、実際に作品にしたのは、ポーでしょう。
その発見は、一人称だけではなく、レイ=ブラットベリのような三人称の物語にも波及していると思います。

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