はとこのハルがお寺の土蔵の中から、顕微鏡を発掘してきた。
私が昔愛用していたやつだ。
メーカーは何だったか忘れたけれども、昆虫標本とセットになっていたやつで、低学年向けとはいえ、やたら重かったことは覚えている。
確か。
小学校の理科の授業で、ジャガイモの切片を顕微鏡で見て、そこに広がるミクロの世界に魅せられたのがきっかけだったと記憶している。
特に、ピクピク蠢くミジンコなんか、実にウットリしたものだ。
それから色々な世界を知り・・・
想像力の中でそれらは文字通り「昇華」し・・・
少年時代の私の心を癒した。
顕微鏡を題材にした小説で、フィッツ・ジェイムズ・オブライエンの「ダイヤモンド・レンズ」という短編(顕微鏡の向こうの美少女に恋をし、破滅していく青年の物語)があるのだが、私は顕微鏡に夢中になっていた、これ以上はないタイミングで読み知って、ますますミクロの世界に魅了された。
肉眼では見えない世界である以上は、顕微鏡なしでは決してそこへ立ち入ることは出来ない。
従って、顕微鏡で自分自身の心を覗けば、いわゆる無意識の分野も見えてくるだろうと・・・
そんなことまで考えた少年時代であった。
ハルにまず何を見るつもりだえと聞いてみた。
「うーん、そうだね、とりあえず鼻くそとか」とハル。
「何から出来てんのか知りてえってか?」と私。
「うん」
「そこからおのれ自身を知るのもいいかもな」
私は私で、イマドキの顕微鏡が欲しくなったので、以下の商品をお気に入りに入れておいた。
千倍もあったら、私自身の心の細胞の中に潜む何かが見えてくるだろうか?
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