mixiユーザー(id:67073406)

2025年11月09日16:25

13 view

Facebookから転載

トレンドニュース速報

うちの従姉妹は、日本の総合病院の産科で出産した日、よその人が置いていった女の赤ちゃんを拾いました。
自分の産んだ男の子と、その子を「男女の双子です」と言い切って、そのまま二十年以上、一切区別せず育て上げたんです。

あの日、病院の廊下はざわざわしていたそうです。
夜中にこっそり退院してしまった産婦がいて、ナースが赤ちゃんを抱えて困り果てていた。
それを見た従姉妹は、ほとんど反射的にその子を抱き上げて、「縁だから、私の子にします」と口にした。
旦那さんの顔は真っ青。
「ちょっと待て」と言いたげだったけれど、従姉妹の目を見て、結局うなずくしかなかった。

家に戻って、親戚一同に言い切りました。
「男の子と女の子の双子、産みました」
姑さんは半信半疑。
「なんで女の子の顔、うちの血筋に全然似てないのかね」
従姉妹は笑ってごまかすだけ。
「私の実家に似たんでしょ」で押し通した。

面白いのは、当の子どもたちは、本当に仲がよかったことです。
小さいころからいつも一緒。
学校に行けば、弟分みたいな兄が、妹を全力でかばう。
妹をいじめたら、相手は必ず泣かされる。
妹は勉強が得意で、兄の宿題を手伝う。
二人で一人分、そんな感じで育った。
近所の人も親戚も、「あの家は福があるね、一度で二人も授かって」と口をそろえた。

中学生になって、最初の山場が来ます。
学校で血液型検査。
従姉妹は一睡もできなかったそうです。
「ここでバレる」と。
ところがふたを開けてみれば、二人ともO型。
夫婦の血液型ともちゃんと合う。
従姉妹は力が抜けるほど笑って言いました。
「ほら、神さままで『あんたが母親でいい』って言ってくれてるじゃない」

やがて二人はそれぞれの道へ。
妹は成績トップで医大へ。
兄は勉強は普通だけど、真面目に働く子で、電気系の専門学校へ。
旅立ちの前日、従姉妹はようやく真実を打ち明けました。
「実はね、あんたは拾った子なんだ」
妹は、静かにこう言ったそうです。
「知ってたよ。田舎って噂が早いもん。私、12歳で聞いちゃった。でもどうでもよかった。私の中で、お母さんは一人だけだから」
ここで終わってくれれば、きれいな話で済んだかもしれません。
現実は、もう一段階、残酷で優しい。

数年前、妹が病院で実習していたときのこと。
ある中年女性の患者さんのカルテを見て、年齢・出産歴・日付を照らし合わせ、顔を見た瞬間にわかってしまった。
――この人が、自分を置いていった「産んだだけの母親」だ、と。
それでも彼女は、何も言わなかった。
ただ、担当としてできる一番いい医療を、黙って提供した。
家に帰ってから、従姉妹を抱きしめて言った言葉が、忘れられない。

「この世には二種類のお母さんがいるよ。命をくれた人と、人生を一緒に歩いてくれた人。
私には、後者がちゃんといる。それで十分だから」
従姉妹は、泣きながら笑いました。
「バカだねあんたは。本当に、私が拾った宝物だわ」

今、その「双子」はそれぞれ結婚して、子どももいる。
正月になれば、必ず孫を連れて従姉妹の家に帰ってくる。
近所の人たちは言います。
「あの時、あの赤ちゃんを抱いた一瞬で、あの家の運命は決まったんだね」と。

ここで、ひとつだけ控えめに文句を言わせてほしい。
子どもを捨てた人は、消息もわからない。
でもその後、二十何年も悩みながら育てた側に、「きれいな美談にして終わらせよう」とする空気がまとわりつく。
これは美談じゃない。
覚悟と手間と、毎日のご飯と、テストの結果と、噂と、涙の積み重ねです。

従姉妹は今も、笑ってこう言います。
「私はね、子どもを拾ったんじゃないんだよ。うちの家族、まるごと拾ったの。あのときの自分、よくやったと思うよ」
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する