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2018年08月16日07:27

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尾畠さんと、沢庵宗彭の『不動智神妙録』

おめでとうございます!
よかったですね。
また、この尾畠さんへの、故なき批判(たとえば、自作自演ではないかなど)がほぼないのも、喜ばしいことです。

そこで思い出すのが、沢庵著『不動智神妙録』という書物です。
剣術について述べた本ですが、
剣術は、自分も剣をもっている代わりに、相手も剣を持つ、矛盾に満ちた営みです。
一方が打ち込んだら、相手は払って打ち込むかもしれない。
同じ技量や体力のものなら、永遠に勝負がつかないはずなのに、勝者と敗者が出るのはなぜか。それは、心理である。
…こう打ち込んだら、相手はこう払うのではないか…などと、自縄自縛になる心理を整理する剣の極意、ひいては禪の極意が書かれています。

一部をざっと要約しますと、
「外物に持って行かれた心を戻し、外物に対する恐怖や思い入れを引きずったままの心を留まらせず、身体に巡らす。すると氷のように縮こまっていた心が解放され、自由自在にふるまえるようになる。」
そうすると、
「よく磨きたる水晶の玉は、 泥の内に入っても染まぬやうに」あいての術数に陥らず、気がついたら勝利している。

あまりにもいいことが書いてあるので、来歴を調べました。
柳生十兵衛が勝負勘がない剣士なので、十兵衛に与えた沢庵の秘伝です。

そういえば、こういうことがありました。

河合塾にコマを一本化する前に、
大金と引き換えに多浪生を預かり、医学部に入れるというプロジェクトに参加していました。
Y君。極めて頭がいいが、伸び悩んでいる男子、五浪。
(相手が女子ですと、外でお茶を飲んだり…という訳にはなかなか行きません。相手は男子ですから、みんな、昼飯を食ったりと様々な形で彼と関わりました)
拳法の達人に合わせたら、一目で、
「あの格好は、自信がない格好だ。」
と見破りました。

目下(私の中國隠避思想関係の甥弟子)なので、あとで、根掘り葉掘り聞きました。

確かに、観察すると彼の言う通りです。
大変おしゃれな男です。
多少長髪で、マジシャンが被るようなシルクハットをかぶり、腕にチェーンを付けています。足が長いのに、印象として下半身が目立ちません。
なるほど。

「そういう観察力がないと、勝負に勝てません」
「しかし、マニュアルではありません。第一、Yが被っているような帽子は、昔はありません。マニュアルがない、つまり一点に囚われないからこそ、自由に発想できます。」
結論は、それです。

ちなみに彼の本職は、理科系の博士研究員ですが、数学も勝負勘というようなことを言っていました。
私は文系ですが、よくわかります。
調子がいいと、実力以上のものが出て、普段、読めないはずの『華厳経』の一番深いところが分かったりします。

沢を探した、高いところ…というのは、もしかしたら結果論かもしれません。
しかし、そこに理外の理と言ったらいいか、一種独特の勝負勘のようなものがあると思いますね。

おそらく、我々が知っているマニュアル的なものはごく一部であり、真相の一露頭に過ぎないものでしょう。
だから、この話は、尾畠さんが警察やマスコミなどの知らない知識を持っていたというよりも、尾畠さん自身もマニュアル化しているわけではない、

比喩的に言うと
むしろ、尾畠さんが、自分でもよく分かっていない知にアクセスして得たひらめきでしょうね。

その前提となるのは、沢庵が提起したような、自在な心だと思います。


■「理稀ちゃん沢にいると思った」発見の尾畠さん一問一答
(朝日新聞デジタル - 08月15日 15:44)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5245611
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