1910年に発行された、W・T・コックスの「杣の魔物(Fearsome creatures of the lumberwoods)」の原本が手に入ったので、一気に読破した。
アルジャーノン・ブラックウッドの「ウェンディゴ」はカナダの森の妖怪を描いた作品だが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1253922941&owner_id=1640816
コックスの「杣の魔物」は“実際に信じられ、言い伝えられてきた森の妖怪”を集めた本である。
なかでも、ホダグ(Hodag)という化け物は、ウェンディゴに並ぶ人気者(?)で、19世紀末にはわざわざハリボテを用意して捕獲成功という東スポ的記事をねつ造したほどであった。
「ホダグの家」なる記念館もある。
http://www.roadsideamerica.com/story/11962
このホダグなる化け物は一体何であろうか?
コックスによると、ウィスコンシンとミネソタに渡って現れる、角と棘に覆われている、ヤマアラシを食べると説明されているが、最初はUMA的な扱いだったようだ。正体が何であれ、人々の想像力が膨らんで、上のような化け物になったのだろう。
これは
THE WHIRLING WHIMPUS。
つむし風のウィンパスと呼ばれる魔獣で、森のなかで時々経験の浅いハンターが「神隠し」にあうのはこれに食われたのだということにされていた。
つむじ風のようにさっとさらうのだそうで、非常に恐れられていたそうである。
これは
Hoop-snake。
図のように自分の尾をくわえて輪っか状になってくるくる回って走って襲ってくるというもの。
森林地帯ではどこの州でも有名で、私自身も実際に目撃したというトラック運転手の話を聞かされた。
これは
THE SLIDE-ROCK BOLTER。
図をごらんになれば、想像の通り、岩肌をすべってきて人を食らうという化け物である。コロラドの森林地帯に出没したという記録があり、当時のレンジャーたちが罠を仕掛けて爆薬で殺したとか。
これは
THE TRIPODERO。
伸縮自在を足を持つ、この奇妙な怪物は見た目のユニークさとは全く違う危険な存在で、鞭のような舌を突き出して犠牲者の頭を突き刺して食べるそうである。
と、まだまだ、奇々怪々な妖怪について語っている奇書であるが、私は妖怪の名前が「韻を踏んでいる」ものが多いことから、木こり、レンジャー、観光客の法螺話から生まれた、楽しい想像力の結果だと気づいた。
その証拠に、マンリー・ウェイド・ウェルマンが書いた「悪魔なんかこわくない(Who Fears the Devil?)」(国書刊行会)を読むと、コックスの妖怪たちそっくりの怪物が総出演していて、ジョンなる風来坊のギター弾きの弾き語りにのってしゃれのめされているのである。
コックスの世界観を引き継いだ、たいへん楽しい怪物物語なので、是非一読を。
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