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2006年03月11日00:02

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「耽奇館主人の日記」自選其の六十二

2004年07月14日(水)
暑い日には、ジョン・ソール。

こんな暑い日に本を読むなら、あなたは一体何を読むだろうか?
当然、心身ともに涼しくなる内容の本を読むだろう。
北極の氷原に生きる白クマの写真集を眺めるのも悪くない。
私は、みなさんのご想像の通り、怪奇小説を読み耽って、腹の底から冷えるのを愉しんでいる。
そんな私がみなさんにオススメする本は、さぞかしどっさりあると思われるだろうが、何と、ただ一人の作家しかいない。
私が最も怖い作家としてオススメするのではなく、暑気払いとして最適な作家としてオススメする、夏限定の作家なのである。
ジョン・ソール。
その作風は、初期に限って、米国版横溝正史という感じで、おどろおどろしさがたまらなく雰囲気たっぷりである。
私としては、まず、「ナサニエル」(創元推理文庫)を真っ先にオススメしたい。
最初に読んだ時は、ほんとうに驚いた。
冷房が効きすぎたと錯覚して、消してしまったくらいなのだ。
内容については、読んでのお楽しみということで、ここでは語らない。
次点は、「暗い森の少女」(ハヤカワ文庫)。
「惨殺の女神」(ハヤカワ文庫)もいい。
それ以降になると、妖気が薄れてしまったという感じで、つまらない。
ソールの妖気。
それは、米国の土着的な泥臭い風景と、心理風景の見事な融合ぶりなのである。
昔、テレビ東京にて、「死霊のはらわた」、「スパイダーマン」で知られるサム・ライミ監督のテレビシリーズ、「アメリカン・ゴシック」が放映されていたが、あれはジョン・ソールが脚本を担当したのかと思うくらい、彼の世界そのままだった。
閉鎖的な田舎町に住む、南部アメリカ人の心の中の忌まわしい過去の風景。
このシチュエーションで、恐怖を描かせたら、ジョン・ソールの右に出る者はいない。
是非、一読を。
今日はここまで。
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