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2008年10月10日23:20

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部屋にポスターを。

幼年時代の我が家にはポスターがなかった。
代わりに、額入りの荒波を行くガリオン船を描いた油彩画が廊下の壁に飾られていた。
それが私と私の内部風景を結ぶ「扉」だった。
だから、いまだに、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのフライング・ダッチマンをWOWOWで観ると、わけもなく幼い頃の思い出が色々と溢れてくるのである。

そう、「扉」。

「扉」を自分で選べるようになった少年時代。
自分の部屋を持てるようになった頃で、初めて貼ったポスターは、近所の映画館から上映終了とともにもらった、映画「HOUSE」のベロを出した人食い屋敷の絵だった。

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祖父と二人で観に行った映画なのだが、くそ真面目に怪奇ものを愛した祖父は怒り心頭で、私は子供心にかなり愉しめた作品であった。
そのポスターが画鋲の穴から破損(何かのひょうしで破いたりして、セロテープで補修するうちにボロボロになっていった)すると、次は購読し始めた映画雑誌スクリーン、ロードショーの付録をとっかえひっかえ貼った。
そのなかでも長生きしたのは、ブルック・シールズだった。
「青い珊瑚礁」とか、「エンドレス・ラブ」とか、現在に至るまで観たことがないくせに、顔立ちと濃い眉が気に入ってずっと貼っていた。
ちなみに、ブルック・シールズの映画で観たのは、「Alice Sweet Alice」、「プリティ・ベビー」の二本だけである。

美術に本格的に興味を持った中学生の頃、初めて貼った絵画のポスターは、挿絵画家の岩田専太郎であった。
ほんとうはフリードリヒなどの風景画から興味を持ったのだが、祖父から「おまえはどっちかってえと、オンナを描いた方がいい」と言われて、岩田専太郎の美人画コレクションを前にあっさり自覚してしまった。
オンナのなかにも「風景」があることを、岩田専太郎から学んだことは巨大すぎる影響だった。

それからコピー機の登場で、ますますポスターの幅が広がって、私の部屋は「扉」だらけの小宇宙と化した。
当時の、私の部屋を知るものは、マイミクさんのなかには一人しかいないのだが、当時は、初対面であっても私の部屋に入るだけで瞬時に私がどんな人間なのかを知ることが出来たくらいであった。

部屋はその人個人の心理風景である、というのに従えば、ポスターも風景の一部といえるだろう。

そして、二十歳になって何かが通り過ぎて、一切合切を捨て去りたくなって、ほとんどのポスターを処分し、シンプルな壁を愛する日々がこんにちまで続いてきたのだが、ある日、白い壁を自分色に染めたくなる衝動に襲われて、今度はたった一枚のポスターにすべてを込める勢いでじっくり選ぼうと思い立った。

それで、ここんとこ、以下のサイトとにらめっこして悩んでいる。

http://www.allposters.co.jp/

ピックアップしたのは以下の通り。

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最後のラクエル・ウェルチは、アグネス・ラムとともにオヤジのオナペットだったので、可能性は低いけれども、幼少時代の私の心をトリコにしたので、一応候補に入れてある。

絵画は一生つきあっていくものだが、ポスターはカレンダーとおなじく、気分次第で顔をつきあわせるもの・・・
しかし、絵画とおなじ、内部風景への「扉」の機能を持つもの・・・

つまりは、人生そのもの。

あなたはどんな「扉」を選ぶだろうか?
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