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2008年07月20日18:32

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合いの子幻想のこと。

英国の27歳男、「羊」相手に性行為した容疑で逮捕
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=552993&media_id=52

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いわゆる獣姦を初めて知ったのは、オヤジがコレクションしていたエロ本の中に、犬や馬のペニスを美味しそうにしゃぶってる金髪女の写真を見た時であった。
しかも無修正の、スウェーデンだかノルウェーだかの、北欧からの直輸入モノで、あまりの露骨さとグロテスクさとで、私は劣情とは違った種類の「興奮」を覚えた。

当時、四歳の時だったと記憶している。

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祖父は私の「興奮」の方向性が危険な方へと傾いているのに気づいたらしく、生々しい怪奇ものを執拗に見せたり、読み聞かせたものだ。
その中でも熱心だったのが日暮里などで興行をしていた見世物小屋へ連れていくことで、「犬娘」だとか「ヤギ男」だとかを指さして、

「いいか、一線を越えてしまうとな、ああいう合いの子が生まれるんだぞ」

と何回も何回も繰り返すものだから、祖父のねらい通り、合いの子という奇怪な存在に畏敬の念を抱き、「興奮」の方向性は生々しさから離れて幻想の真っ只中へと突き進んでいった。

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合いの子。

若い世代では全く使われない言葉だが、私の世代では気軽に使われた言葉で、例えば、見た目がゴリラそっくりの体育教師がいると、あいつはゴリラとの合いの子なんだといった具合である。
今だったら、ハーフというのがそれに当たるのだろうが、合いの子という語感には、ハーフなんてものは比べものにならないくらいのタブーの響きがあった。

即ち。

ほんとうに獣との合いの子が生まれるかもしれないという恐怖感である。
転じて、奇形児に対する原始的な恐怖だ。

祖父が趣味で作成したスクラップブックの中に、次のような記事がある。
江戸時代の「街談文々集」という、今でいうゴシップメディアからの引用だ。

「人間そっくりの顔をした仔犬が産まれる」

文化7年6月8日、田所町の紺屋の裏手で、一匹の牝犬が子を産んだが、その三匹ほどの仔犬の中、一匹はその顔が人間にそっくりであるというので、近所の者が見て騒ぎ出し、大評判になった。

続いて、「北窓瑣談」からの引用。

「狐と人間の交じりあった怪奇な四つ子を産む」

但馬国竹田という村の、ある百姓の娘が、ひそかにある男と情を通じて、いつか懐妊して子供を産んだが、それは珍しい四つ子で、しかも、その赤子はそれぞれ形がちがっていて、あるものは頭は人で手足が狐であり、あるものは首が狐で手足が人間であった。
寛政ごろの出来事である。


ハッキリ言って、幼少時の私は、これらの記事を一度も鵜呑みにしたことはない。いつも鼻で笑ったものだ。しかし、私自身が抱える聴覚障害のハンデを克服するために会話訓練を積んでいた聾学校の縁で、ありとあらゆる身体障害者、精神障害者、果てはハンセン病患者まで、イヤってくらいに目の当たりにする機会があったので、合いの子に対する抜きがたい原始的な恐怖感は全く笑えない代物だった。

ところが。

小学生の高学年になった頃、合いの子に対する恐怖感が昇華して、憧憬と羨望に「化学変化」してしまうきっかけがあった。
ミノタウロスの話を読んだのである。

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牛と人間の合いの子、ミノタウロス。
怪物であったが、迷宮においては神そのものだった。
何という魅力的な存在だろう!!
それ以来、私は幼少時の危険な「興奮」が復活するのを感じ、あらためて獣姦を徹底的に読み知った。

古来、人間が交わった生物は、私の知る限り、以下の通りだ。

犬、猫、鶏、豚、牛、羊、ヤギ、ウサギ、馬、蛇、蛸、イカ、ナマコ、イルカ、エイ・・・

この中でも、イルカとエイのそれは人間の女性器そのもので、その道の好事家には大変重宝されたと記録に残っているほどだ。
だから、私は獣姦をするならば、イルカかエイと心に決めている。
従って、当然、ニュースのような、羊とヤッた経験などないのだが、そもそも不純な動機、下心丸出しのハンパな心構えが合いの子を産み出す原因であるような気がしてならない。

どうせ産み出すのなら、怪物か神を。

そういう突き抜けた欲望こそが、人間にとってひとつの救いだと確信する。
実際、こそこそして農場に忍び込んで羊とヤッて御用になったハンパ者より、羊に求愛して人生の伴侶として我が家へ連れ帰る者の方が世間の微笑みを誘うことだろう。

こんにち・・・

奇形児の出産は昔に比べて、「まれ」になってきたので、かつてのようにあそこんちの子供は合いの子と重く囁きあったり、醜い人を合いの子と軽くからかったりするようなことはなくなってきた。

奇形児は決して、獣との交わりから産まれるものではないのだ。

例え、けものじみた欲望を戒めるための方便であったとしても、その方便があること自体が問題なのである。

でも、もう、気にしなくていい。
ニュースの男は運が悪かっただけだろうし、不純な動機が災いしたかもしれない。

今度から、思う存分・・・

合いの子がミノタウロスのように怪物か神であるために・・・
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