娘のサカキ。
自衛隊でまじめにやってるのかなと思ってたら、高校時代から通っている日本拳法の道場の先生から伝授された「裏技」を試したくて、わざわざ男の隊員たちにケンカを売っているらしい。
道場仲間から私のところに連絡があったので、コトが発覚したわけだが、私は「ケンカを売るのは結構だが、絶対負けちゃならねえ。負けたら輪姦ものだと思え」と喝を入れるだけだった。
「裏技」とは何か?
男性にとっての最大の急所である金的を攻撃する技だそうで、サカキが熱心に練習しているのは、先生が日本拳法の他に身につけている古武術の「鎌鼬(かまいたち)」という蹴り技とのこと。
聞いた限りだと、こうである。
まず、こちらに掴みかかってきた相手の両手首を掴んで、中腰で相手の身体を思いっきり引き寄せるように、膝頭を相手の金的に直撃させるという、バランス崩し、タイミング、腕力、スピードをそれぞれうまく噛み合わせて初めて完成するものだという。
元々は水月に直撃させる蹴り技だが、死に至らしめる危険な技なので、「護身術」として金的にアレンジしたのだそうだ。
それで、サカキは誰かに試したくてうずうずしているのだが、私はだからといって闇討ちだけはやめろよと言ってやった。
そして私の知る金的攻撃を電話口で説明したのだが、こちらは単純に、陰嚢を「むしり取る」ものだ。
パンツの中に手を突っ込んで、直接陰嚢をわしづかみにし、爪を立てたままドアノブを掴む感じで、二個の睾丸を軽く手の内に転がすようにして、一気に引きちぎる。
こちらは、握力とスピードが必要になるけれども、女性の非力でも、十分人体破壊の目的を達することが出来る。
引きちぎることは無理でも、爪先に乗ったスピードで陰嚢に穴を開けることは意外にも簡単だからだ。
この「技」は、空手をやっている友人と、耳たぶを引きちぎる話をしている最中に思いつき、友人の妹に教えたのだが、「幸いなことに」妹は試すチャンスに恵まれ、自分を押し倒した暴漢の陰嚢を半分切断することに成功した。
当然、暴漢は暴行の意欲を失い、警察が来るまでえびぞりになったまま悶絶していたそうである。
それを聞いたサカキは電話口でも分かりすぎるくらいに、ニヤッと笑った。
心配だから、今度はこれ以上ケガをしなくて済むような、相手に優しい技を考えておこう・・・
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