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2008年01月25日00:22

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新ワイルド7最終章 序章エンジェル・フォール��

イコの手を握って走る飛葉。
アフリカの木彫りの面と火を吹くM61。

見開きで、サイドカーにM61を積んだ陸王の銃撃から身をかわす飛葉が描かれる。

駐車していたパジェロが穴だらけになり、グワッと爆発し、炎上する中、ヤマハXV750ビラーゴ、カワサキZRX1200が飛葉の前に現れる。
ビラーゴは馬力、ZRX1200は馬力の子分が乗っている。

「乗れ!!」 

ZRX1200の子分、後方に下がり、馬力と運転を代わり、ドラムマガジン仕様のイングラムを構える。

飛葉、空いたビラーゴにサッと飛び乗り、バックにイコを座らせようと左手を引くと、そこには・・・

イコの右手だけがあった。

右手から先は消えてなくなり、露出した骨から鮮血が滴っている。
飛葉、目を大きく見張り、ウワオォッと絶叫する。
頭から火花が飛び散り、何かが粉々に砕け散る感触の中、逆さ吊りになった両国が銃撃されて穴だらけになる映像が閃く。

「くそっ!!」と馬力、ZRX1200を駆り、陸王の死角に回り込み、子分、イングラムのフルオートをお見舞いする。
陸王、何と、バックしてかわし、同時にこちらにサイドカーを向け、M61のシャワー。
子分の上半身が消滅し、路上に血まみれの下半身が飛び、走ってきた車のフロントガラスにビシャッと叩きつけられる。
馬力、歩道に逃げ込み、銃撃をかわしつつ、バイクの上で呆然としている飛葉に「ナニやってんだ、逃げろ!!」と叫ぶ。

陸王、逃げた馬力から目を離し、飛葉に顔を向ける。
木彫りの仮面と連動しているのか、M61の銃口も飛葉に向けられ、照準が合ったところで、銃撃。

その瞬間、バイクが消え、急発進した飛葉がグイインと猛スピードで直角ターンして、陸王の背後に回ろうと狭い繁華街を器用に走り抜ける。イコの右手をそっとふところにしまい、同時にホルスターからコルトウッズマン357マグナムカスタムを抜き、あっという間に、陸王の背後にピッタリ迫る。

「チッ」と舌打ちし、陸王、ドリフトしつつ、方向転換する。
そこへ、ビラーゴからすっくと立ち、走行中で、ウッズマンを構え、引き金を引く。
木彫りの仮面がまっぷたつに割れ、無線機つきヘルメットに大穴が空き、襲撃者は陸王ごと逃げて無人になったラーメン屋に突っ込む。

キッとバイクを停める飛葉。
そこへ並んでくる馬力。
「大丈夫か?」
しかし、何も答えず、馬力を無視してそのまま走って行ってしまう。
馬力、察したように目を伏せて黙り込む。


幕張メッセでの「介護・医療機器紹介イベント」。
一人の老人と娘のおばさんがブースにて電動車椅子の説明を受けている。
「どォです、コレならドコでも楽々行けますョ!」

http://www.yamaha-motor.co.jp/product/wheelchair/complete/active/index.html

しかし、そこへロボットスーツを着けたグラマーなコンパニオンが現れ、一気に老人の視線を独占。

http://sanlab.kz.tsukuba.ac.jp/r_hal.php

「我が社カムサンの補助スーツなら、旅行はもちろん登山も楽しめます・・・」

「そこのねェちゃん!!」と電動車椅子でバーッと寄る老人。
「わしゃ、スキーが趣味なんじゃ。スキーも出来るのかえ?」
コンパニオン、にっこりと微笑み、「もちろんですわ」と。
呆気にとられる電動車椅子の説明者と娘のおばさん。

そこへ現れる、二台の車椅子。
乗っているのは、水戸とエンゼル。
その背後に立っているのは草波と菊川警視監(旧ワイルド地獄の神話に登場、当時は特捜部の警部だった)。
「カムサンのバックがワイルドを襲った連中だってのは本当か?」と菊川。
「まだ推測だがな。カムサンと言えば。Aリアンの唯一の合法な会社だった。裏表のない、まじりっ気なしの一般市民による介護関係のな・・・」と草波。
「うむ、それが今や、厚生労働省のお墨つきの大企業として急成長。あの鉄人28号みたいなロボットスーツを売りにしてからだ」
「古いね!せめてガンダムって言いなよ」と水戸。
ムッとした菊川、水戸を無視して、「シロオト目に見ても、Aリアンがあれで得た莫大なカネでまた太ろうってのは予想出来るな。その過程でワイルドを潰そうとしているのも」と呟く。
そこへマスコミに囲まれて登場する美青年。
側にはAリアングループのリアンがつきそっている。
「あれがカムサンの若社長だ。英総帥の孫で、アメリカ人とのクォーター。総帥の重太郎の名前をもらって、ジュー・ハナブサ。フェンシングの選手としても大活躍。それでフェンシング王子ってもてはやされてるのさ」と菊川。
華やぐジュー・ハナブサの群れとすれ違う草波たち。
その瞬間。
視線が合うジュー・ハナブサと草波。
フッと笑って、マスコミの質問に丁寧に答える若社長。
「どうした、草波?もしかして知り合いか?」と冗談めかして言う菊川。
「本当に知り合いかもしれん。どこかで見覚えが・・・」と草波。
群れの陰で、リアン、右手の黒革手袋を取って、バイブモードで鳴る携帯を切ってポケットに戻す。
そして再び手袋をはめる。その右手は五本とも親指である。


「小林少尉が殺られたか・・・あやつは我が特務機関では髄一の陸王乗りだったのだが」と人影の一人。
「さすがはワイルドの飛葉。これで記憶が完全に戻れば、完全無欠のパーツになりますな」ともう一人。
「目的を果たすまでは、任務は繰り返される。イコとやらの次に精神的ダメージの強そうなのは誰だ?」
「妹の志乃がおりますが、まずは飛葉がどれだけ思い出したかを確認すべきです」
「よし、こっちは若いのに任せよう。クイーン、二、三人連れて行け」
「了解」と、白髪頭のミラーサングラスの女性、闇の中に消える。


ミッション系の女子学園。
校門からワイワイと仲良く連れ立って下校する女学生たちに混じって、一人トボトボと歩く美少女がいる。
そこへ「志乃さんですナ」と声をかける男二人。
顔をあげて二人を見る志乃。
「どちら様・・・?」
「ワイルドの画竜です。こちらはクロス」
画竜とクロス、頭を下げる。
「草波さんから聞いております・・・イコ姉さん、亡くなったんでしょう?」
ウッと言葉に詰まる二人。
「そうです・・・覚悟の死でした」と画竜。
「それで、飛葉ちゃんは元通りに?」
「少なくとも敵を一発で仕留めることは出来ました」とクロス。
「そう、次は私の番ね・・・やっと飛葉ちゃんに会える・・・」とニコッと笑う志乃。


暗闇の中に立つ草波。
回想。
「私と結婚するには条件がある」と草波。
ソファに座るイコと志乃を前に、「今は飛葉と会わないことだ。やつは記憶を失っている。敵をまともに撃てないほどにな。それが死を意味することは分かるだろう?しかし・・・」と続け、「いずれ、飛葉の記憶を取り戻すために会ってもらわねばならん。それは感動の再会ではない。飛葉の目の前で敵の銃弾に斃れるのだ。その瞬間こそが、やつの本能を呼び覚ます。それでもいいか?」と言い放つ。
「何てことを!草波さん、あなたはそれでも人間なの!?」と志乃。
志乃を制し、ソファから立ち上がり、草波の背中に回って、そっと抱きつく。
「分かりました、それで飛葉ちゃんの記憶が戻るなら・・・」

回想から戻り、草波、唇を噛んで、闇の中をじっと見つめ続ける。


闇の中に現れる志乃と画竜、クロス。
草波、明かりをつける。
明るくなった部屋は奥行きがあり、奥には、旧ワイルドのユニフォームとバイクが並んでいる。
顔写真も並び、世界、オヤブン、八百、へボピー、チャーシュー、両国、テル、デカ、ユキと志乃、順々に眺めて、そっと涙を流す。
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