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2007年09月02日17:43

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犬神カタルシス・コレクション��

生まれて初めてケン・ラッセルの映画を観たのは、「アルタード・ステーツ」だと思っていたのだが、実は「Tommy」であった。
そのことを知ったのは、渋谷のパルコでケン・ラッセル特集上映をしていた時、「肉体の悪魔」を観て興奮しまくっていた私に、生前の母が「Tommy」を一緒に観に行ったでしょと小学校二年生の記憶を呼び覚まそうとした時だった。
小学二年の私。
確かに母と映画を観に行った覚えはあるのだが、たくさん観たので「Tommy」は覚えていなかった。覚えているのは、「長靴をはいた猫八十日間世界一周」というアニメ映画と、「グレートハンティング」というドキュメンタリー、そして「燃える昆虫軍団」というパニック映画であった。
ケン・ラッセルのあれだけインパクトのある映像を覚えていないというのは、我ながら不思議でしょうがないのだが、多分。

小学二年の私の頭には、まだついていける内容ではなかったのだろう。

それに当時は、補聴器に慣れることと厳しい会話訓練に耐えることでイッパイイッパイだったから、映画鑑賞は無音の状態で字幕と映像で愉しむという感じだった。
そして。
幼少時からの地道な努力の積み重ねが効いて、人並みに日常会話が出来て、音楽も愉しめるようになって、成長して、「Tommy」と再会した時。

私の中の何かが目覚めた。

ビートルズのアニメ「イエローサブマリン」は、小学五年生の時に家庭教師がビデオで見せてくれたのだが、どこかで感じたような感覚、デジャヴがずっとついてまわっていた。
それがついに氷解したという感覚でもあった。

当時は。

エルトン・ジョンもティナ・ターナーも知らなかった。
しかもザ・フーも全く知らなかった。
だが、トミーとは出会っていた。

現在。

エルトン・ジョンもティナ・ターナーも知っている。
ザ・フーも知っている。
トミーはじっくり愉しんだが、小さい頃観ていたのは知らなかった。

そういうわけで。

エルトン・ジョンとティナ・ターナーの映像を観る度に、私は奇妙なカタルシスを感じるようになったのである。







今の私の頭は。
「Tommy」についていけるのだが、その分。
ついていけなかった頃の、奇妙な、それでいて甘い香りのするデジャヴを二度と味わえない頭になってしまった。


註)映画「Tommy」についてはこちらを。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16067

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