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2007年04月09日22:52

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ダリの絵の中の男のこと。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=20019

入院中は、個室だけあって、好きなだけDVDを観ることも出来たのだが、早送りせずにちゃんと最初から最後まで通して観ることが出来たのは、三十本のうちわずか二作品だけであった。そのうち一本がロマン・ポランスキー監督の初期の作品「袋小路」だ。
この作品は、母がアートシアターギルド、つまりATGの配給でリアルタイムで観て来たようで、当時のパンフレットが私の幼少時から常に部屋の片隅にあった。
そのパンフレットの存在を忘れたまま、初めて本作品を観たのは、小学六年生の時の東京テレビの映画放送だった。
それまでに、すでにドナルド・プレザンスという異形の俳優をジョン・カーペンター監督の「ハロウィン」で知っていた。「ハロウィン」ではもう老人だったが、「袋小路」のドナルドはまだ精気に満ち溢れた風貌で、実にたまらない魅力を発していた。
つまり、少年時代の思い出と病院にて再会したわけだが、私の中ではあらためてロマン・ポランスキー監督の最高傑作と位置づけられた。
小学六年生の私の頭の中は、ダリの絵でほとんど占められていたのだが、ダリの絵の中によく登場する、異形の人物そのものが動き回っているのをドナルドを通して観た時は、ほんとうに驚き、ダリの衝撃をきれいさっぱり忘れてしまったほどだ。
それだけ、ドナルドの演技はダリっぽい。
後、作品中に、寝ている悪漢のオヤジのはだしの両足のつま先に紙片を挟んで燃やして、さながら「自転車をこいでる」ように両足をバタバタさせるイタズラがあったのだが、小学生の時に初めて観た私はそれをいつまでもしつこく覚えていて、機会あらば誰かに試してみようとイタズラ小鬼を心の隅っこに潜ませておいたものだ。その小鬼は、あらためて、いまだに私の心に生きていることを悟らせて、我ながらニヤッと笑ってしまう。
そして、母が生前、大好きだったツィッギー、ブリジッド・バルドーよりも、さらに上位の「魔女」として崇めていた、フランソワーズ・ドルレアックの魅力にあらためてにっこり微笑んでしまった。
それにしても。
ラストシーンにて、潮が満ちた岩石の上で膝を抱えてうずくまるドナルドの絵は、ほんとうになんと、ダリの絵そのものであることか。

オススメ、必見!!
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