自己流で上達するなら、みんな上手くなるわ。
スキーなんか、その最たるものだろう。滑っているだけで上手くなるなら、世の中はスキーの達人だらけである。歌だって同じで、人に聴いてもらって、直してもらって、初めて上達する部分がある。
カラオケの機械で採点してもらうというのも面白そうだが、もともと自分はカラオケが不得意だから、これは無理だな。
にしても、だ。「辿りきて、未だ山麓」。機会を見つけて、まだ頑張るしかない。なにせ70代だからね。
そういえば、OEK合唱団の練習で、指導者が「ここはBm7とか、ドミナントとか、こうなってああなって……」と、和音のことやら何やら、譜号を並べて説明する。そんなこと、自分には分からん。
80人近い合唱団員の中で、それを本当に理解できるのは、まあ数人いるかな。いかにも「分かっています」という雰囲気を出している人が10人くらい。残りの8割は、たぶん自分と同じくチンプンカンプンである。
もし本当にそれを理解させようと思うのなら、楽譜のフレーズごと、あるいはページごとに数人を前に出して、合唱を聞かせればいい。そして、「今のはこういうことだよ」と、実際の響きを耳で確認させる。そこまでやらないと、身につかない。
合唱団員が前に向かって歌いながら、離れたパートの音を聴いて、
「なるほど、ここでこういう和音になるのか」
と、自分で実感できると思うか。そんなことができるなら、もうプロになっている。
大人数の合唱では、指導者がいくら「ここはこの和音です」「ここはこう響かせます」と説明したところで、それを実際の音として理解できる人は限られている。もちろん、説明そのものに意味がないとは言わない。だが、説明したことで「分かったこと」にしてしまうのは違う。
結局、誰も実際には確認できていないのに、指導者だけが「説明した、伝えた」と満足している。それなら、練習時間の使い方としてはもったいない。
……まあ、70代としては、そんなことをぼやいている暇があったら、自分の声を少しでも上手くするために、機会を見つけて練習するしかないのだが。
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