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2026年09月05日11:57

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地図は世界を映す(8336)

国連で、世界地図のメルカトル図法を見直し、「イコールアース図法」の採用を促す決議が採択された。賛成164か国、反対1か国、棄権6か国。反対したのはアメリカだけだった。

やっぱりアメリカだな、と思った。

反対理由の一つには、現在の世界地図を植民地主義と結びつけて捉えることへの反発があるという。植民地獲得競争をしていたイギリス、フランスなどのヨーロッパ諸国も賛成し、朝鮮から満州、台湾などを植民地化した日本も賛成した。一方、アメリカもキューバやフィリピンを支配し、中南米では経済的・政治的な影響力を及ぼしてきた。そう考えると、今回のアメリカの反対には、過去の植民地主義への反省というより、別の政治的な意図があるようにも思える。

メルカトル図法は、航海には非常に便利な地図である。角度が正しく表されるため、一定の方位を保った航路を描くことができる。ただし、緯度が高くなるほど面積が大きく引き伸ばされる。

たとえばグリーンランドは、実際にはアフリカ大陸の約14分の1の面積しかない。それなのにメルカトル図法では、アフリカとほとんど同じくらいの大きさに見えてしまう。オーストラリアにしても、実際にはグリーンランドの約3.5倍あるのに、地図上ではその差が分かりにくい。

まあメルカトル図法にしても他の図法にしても何を正確に表すかによって、適した地図は違う。航海にはメルカトル図法が便利だし、面積を比較するなら別の図法が適している。

ただ、地図上で実際よりもはるかに大きく描かれる地域と、小さく描かれる地域がある。そのことが、長い間の世界観に少なからず影響を与えてきたことは確かだろう。少なくとも、面積をできるだけ正しく表示することは、その是正の第一歩にはなる。

地理を教えてきた自分としては、地図には思い入れがある。

日本地図を見ても、そこには「空白」がある。北方領土や樺太南部などだ。なぜ白くなっているのかと聞かれれば、単純に「そこに何もないから」ではない。どの領土として表示するかという政治的な問題があるからだ。

地図は、単なる名所旧跡や物産、地形を表すものではない。国境をどこに引くのか、どの国の領土として描くのか。そこには国家間の力関係や政治的な判断が入り込んでいる。つまり、地図は常に政治であり、国家間のパワーバランスを映すものでもある。

今回の国連決議には法的な強制力はないという。それでも、193か国のうち164か国が賛成し、アメリカだけが反対したという事実は重い。いずれ学校教育の現場にも、こうした「地図の見方」が降りてくるのではないか。

もっとも、キツネ目の高市は忖度するだろうからどうなるやら。


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