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2026年08月18日07:10

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マスコミの制裁(7995)

アルバイト先のスポーツジムの更衣室で盗んだクレジットカードを使って、22歳の大学生が逮捕された。実名と大学名、しかも「慶應大学」という名前が大きな見出しになっている。

もちろん、盗みは犯罪であるから処罰されるべきだ。ただ、どうも引っかかる。たかが窃盗、と言ってしまうと語弊があるが、人を怪我させたわけでも、殺したわけでもない。盗んだクレジットカードを使えば利用記録が残るから、調べれば足もつく。それなのに、実名に加えて大学名まで大きく報じられる。これが「大学4年生」だけなら、ここまでニュースになるだろうか。ところが「慶應大学4年生」となると、途端にニュースとしての価値が上がるらしい。

そこで、ひょっとして芸能人か、有名なスポーツ選手なのかと思って調べてみた。ところが、どうやら普通の学生らしい。

もちろん、報道には実名を出す基準があり、警察発表に基づいて報じているのだろう。だから「マスコミが嘘を書いている」という話ではない。しかし、事実だから報じていいのか、報じる必要があるのかは別問題である。

22歳なら、まだ人生の先は長い。今回の事件で罪を償ったとしても、「慶應大学の学生がクレジットカードを盗んで逮捕された」という記事は、ネット上に長く残る。刑事上の処分とは別に、実名と所属大学が全国に知られることで、社会的な制裁まで受けることになる。

もちろん盗みをした以上、何らかの責任を取るのは当然である。ただ、余罪や被害が大きく出ない限り、窃盗の初犯で執行猶予が付くようなレベルである.事件の重大さと、報道によって与えられるダメージの大きさが釣り合っていない。

そして、どうしても意地の悪いことを考えてしまう。「慶應大学」という名前が付いたから、記事として面白くなったのではないか。普通の大学生ならたいして読まれないが、「慶應の女子学生が窃盗」となれば、読者の食いつきが違う。つまりマスコミ自身が大学のブランド力を利用して、事件を大きく見せているのではないか。

ひょっとして、慶應に入れないレベルの連中の嫉妬か――などとまで考える。犯罪そのものより「慶應」という名前のほうが目立っているのを見ると、そういう勘ぐりもしたくなる。

犯罪を犯した本人には、それなりに責任を取ってもらえばいい。それとは別に、マスコミが大学名まで晒す必要があるのか。マスコミは裁く側ではない。
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