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2026年07月15日06:39

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じじいライダーの夢(7033)

36歳のとき、中型二輪免許を取得し、すぐにカワサキのバルカン400を買った。

きっかけは、映画『イージー・ライダー』だった。主人公がアメリカンタイプのバイクにふんぞり返るように乗る姿が妙に格好よく映り、いつか自分もあんなバイクに乗ってみたいと思ったのである。

当時はホンダやスズキからも400ccクラスのアメリカンが出ていた。勤務先の近くに小さなカワサキのバイクショップがあって、ふらっと立ち寄って店主と話をしているうちに、その場の勢いで衝動買いしてしまった。

バルカン400はチェーンではなくベルト駆動だった。チェーン特有のジャラジャラした音がなく静かだった。だが人気車種ではなく、当時の金沢では同じバルカン400を見かけることはほとんどなく、走っているのは2台だけだと聞いた。

その後、ツーリング先で1200ccの大型バルカンを見かけたことがある。やはりアメリカンタイプは大排気量になるほど風格があり、「いつかは大型もいいな」と羨ましく思った。それでも自分の400ccも車重は200kg近くあり、十分な存在感があった。

購入当時の勤務先は金沢市の北部にあり、自宅から約20km。街の中心部を通る通勤路では、朝のバスレーンをバイクで走り抜けた。車とは違う開放感があり、通勤時間さえ楽しみだった。

その後、勤務先が市の南部に変わり、通勤時間がラッシュと重ならなくなったのもあって、通勤は車に切り替えた。雨や雪の日はもちろん乗らず、真夏も避けるようになり、バイクに乗るのは5月と9月の気候の良い日が年に1、2回ある程度になってしまった。それでも2年ごとの車検を受け、任意保険も払い続けていた。

一、二度滑ってゆっくりと転倒したことはあったが、大きな事故は一度もない。少し錆が出たくらいで、長い間きれいな状態を保っていた。

しかし4年前の春、久しぶりにエンジンをかけようとしても、まったく動かなかった。バイクショップへ運ぶと、「タンクの中が錆びているので修理は難しい」と言われた。年に1、2回しか乗らない生活を続けた結果だった。

結局、そのまま引き取ってもらうことにした。店主は「オークションでマニアが部品取り用に落札してくれれば廃車費用はかからないでしょう」と言っていた。その後、追加の連絡はなかったので、どこかで第二の役目を果たしてくれたのだろうと思っている。

もう新しくバイクを買うことはないだろう。それでも、ツーリングを楽しむ70代くらいのじじいライダーを見ると、「ああ、ああいう人生もいいな」と今でも少しだけ羨ましく思うことがある。
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