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2026年06月18日07:39

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学歴コンプレックス(6981)

考えてみると、学歴コンプレックスがまったくない人間などいるのだろうか。東京大学医学部や東京芸術大学のような、日本の頂点とされる場所にいても、別の世界を見ればまた比較の対象は現れる。そう考えると、程度の差こそあれ、ほとんどの人が何らかの形で持っていても不思議ではない。

二十代の頃の話である。勤務先に、地元国立大学出身の年配の国語教師がいて、進路指導主任をしていた。あるとき、生徒の受験先になっていた関西の私立大学について、「あんなところ、誰でも入れたわ」と軽く言った。たまたまその場には自分と年配の社会科教師がいたのだが、その先生はまさにその大学の卒業生だった。自分は知っていたが、国語教師は知らなかった。もちろん悪意があったわけではなく、単なる軽口だったのだろう。しかし、人は無意識のうちに、自分の立っている場所を基準に物事を見てしまうものだと思った。ちなみに国語の教師はヒラで、社会科の教師は校長で退職した。

そんな昔のことを思い出したのは、昨日、「森の歌」の練習前に、昔から知っているアルトのお姉さまと話をしていた時だった。

長い間合唱を続けていると、歌はうまくなる。オーケストラ付きのステージを経験したり、コンクールに出たりすることを繰り返すうちに、少しずつ実力は積み重なっていく。そこには、どこの高校の合唱部だったかなど、あまり関係がない。

自分は確かに合唱では名門と呼ばれる高校の出身だ。しかし、「やっぱりあの高校だからうまいんですよね」と言われても、正直ぴんと来ない。五十年以上歌ってきて、今の自分の歌があるのは、高校時代の三年間よりも、その後の積み重ねによるものだと思っているからだ。

野球のようなスポーツなら、若い頃に培った技術や身体能力の蓄積が大きくものをいうだろう。しかし、それとてレギュラークラスのごく一部の話で、多くの人にとっては、その後の努力や経験の方がはるかに大きい。

もっとも、自分自身にもそういう偏見は今でもある。だから、人のことばかりは言えない。
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