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2026年04月07日08:02

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信用できる声(6876)

「信用できる声」という表現は少し奇妙かもしれない。だが実感としては確かに存在する。「この人が歌うなら一緒に歌ってみたい」と思える声である。

それは単に上手いということではない。音程やリズムが安定していることに加えて、音色やフレージングの方向が共有できる、いわば“アンサンブルの中で安心して身を預けられる声”である。逆に、どれほど声量があっても、その方向が噛み合わないと「合わない」と感じる。同じパートでそれが起きると、逃げ場がない分だけ苦痛は大きい。

学生や訓練されたアンサンブルでは、ヴォイストレーニングを通じて声質を揃えることが前提になる。しかし初心者の多い一般合唱団では難しい。近年は団員のライフスタイルの変化による減少や高齢化が進み、初心者やブランクのある人を受け入れなければ団が維持できない。結果として、声のばらつきは避けられない。

「どこでも通用する声」とは何かという問題だ。経験的には、それは柔らかく、過度な主張をしない声である。言い換えれば、個性を前面に出さない声だ。しかしそれは同時に、ソロ的な魅力とは別の価値基準でもある。合唱においては、“個性の強さ”が必ずしも美徳ではない。

最近は「これを歌うがどうか」と声をかけられる機会が増えた。指導者からの場合もあれば、団員同士のつながりからの場合もある。ほとんどは受けるが、宗教曲や大規模作品で人数合わせかなと思う時には歌わない。自分にとって「一緒に歌いたい」と思えないからだ。

先日、12月のコンサートのオンステを誘われた。コロナ前に在籍していた合唱団で、選曲も面白い。せっかくだからと知人に声をかけたところ、「あなたが歌うなら」と返ってきた。まあオープン参加になるのか、団費を払うのかを今から話し合うそうなので、その結果によるが、どっちにしてもいいアンサンブルができればいい。

結局のところ、合唱は「誰と歌うか」に強く依存する。制度や編成の問題を超えて、最終的にアンサンブルの質を決めるのは、互いの声に対する信頼の有無なのだろう。
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