車というのは、ここまで人間に親切である必要があるのだろうか。
トヨタ シエンタに乗り換えて3ヶ月だが、どうにも機能を使いこなせていない。あれもできる、これもできる、と言われても、結局どこに何があるのか分からない。
その点、以前乗っていたホンダ N-BOXはよくできていた。機能は多いのだろうが、少なくとも「使える形」でそこにあった。シンプルというのは、単に少ないという意味ではないのだと実感する。
シエンタの取扱説明書は冊子ではなくダウンロード式で、試しに印刷しようとしたら140ページ。20ページほど出したところで馬鹿らしくなってやめた。「必要な時はネットで見ろ」ということらしい。
昨夜帰宅してエンジンを切り、ドアを開けたが車内灯がつかない。合唱の練習前に駐車場で譜読みをしていた時にはついていたのに、不便だなと思いながらあちこち触っていると、ルームランプの間に小さなスイッチがあるのに気づいた。
カバーをめくって押した瞬間、
「SOSに接続します」
という音声が流れた。
慌てて止めようとする間もなく、呼び出し音二回でオペレーターにつながった。
「すみません、間違えました」
そう言って切ると、自動音声が続いた。
「次回はすぐに対応します」
どうやら次は、確認なしで“事故”として処理されるらしい。
なかなかに行き届いた機能である。
もっとも、使う機会がないに越したことはないが。
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