第九の練習で、テナーの仲間がパンフレットを取り出し、楽譜と一緒に見せながら言った。
「今度、12月6日にこれやるんで、一緒に歌いませんか」
見ると、金沢市中央公民館合唱団の第63回定期演奏会(2015年7月20日)のパンフレットだった。金沢メンネルコールを退団し、大阪に通っていた頃のものだ。それまでは助っ人としてオンステしていたが、この頃から正式に団員として参加した。まだ合唱団として勢いがあり、毎回面白い曲に取り組んでいた時期でもある。コロナ禍で休団して以降は、すっかり縁が遠のいている。
彼とは30年以上の付き合いで、今も野々市市民合唱団では一緒に歌っている。
宴会の酒は断っても、オンステの誘いは断らない――それが自分のモットーだ。
「わかったよ、いいよ。こっちのコンサートが終わったら行けるやろ」
練習日は同じ火曜日。となると、こちらの本番が終われば、今の合唱団を休団にするか、あるいは退団するかという話になる。
まあ、いろいろあって気分も乗り切らない。だったら、別の場に移るのも一つかもしれない。
ログインしてコメントを確認・投稿する