mixiユーザー(id:32437106)

2026年03月22日19:08

193 view

 ネイチャー・ドキュメンタリー作品「馬年!モンゴル大草原に生きる世界唯一の野生馬モウコノウマ>

ネイチャー・ドキュメンタリー作品、午年に因み、人々に意外と知られていない野生馬の暮らしに迫っていく。主役は、モンゴルの大地に生息するモウコノウマである。絶滅危惧種に指定され、手厚く保護された。日本からも獣医師等が派遣され、健康管理にあたっている。野生ならではの荒々しさを描く。


<馬年!モンゴル大草原に生きる世界唯一の野生馬モウコノウマ NHKダーウィンが来た!より>

 必:画像は、NHKダーウィンが来た!の放送回より
   
 2014年は午年である。人間に飼いならされ、競走馬として有名な馬は、野生では希少種と化している。モンゴルの大平原には、人に飼いならされたことがない野生馬が暮らしている。種名はモウコノウマ、オスを中心とした10数頭の群れを作り、大平原を駆けている。今日は、棲息数が少ない野生馬を見つめる。

 目次
第1章   追跡!大草原の野生馬
小見出し モウコノウマ 奇跡の復活
第2章  潜入!謎の大集合



    第1章 追跡!大草原の野生馬
 
乾燥化が進むモンゴル内陸部ホスタイ国立公園は、アルタイ山脈の麓に位置する。緑の草が生い茂り、なだらかな丘陵地が続く。30頭から40頭の馬が、鞭を振るう遊牧民に追い立てられ、地響きを立てながら列を崩すことなく、丘を駆け下っていた。遊牧民と共に移動を繰り返す馬は、今日の主人公モウコノウマと別系統である。大昔からなだらかな丘を駆けているモウコノウマは、生息数が少なく、群れの規模も小さい。名前の由来は、モンゴルの野生馬から来ている。

フォトフォト

家畜化された馬よりも小柄で、体高は140cm、足は太くて短く、競走馬には向いていない。黒い鬣は短く、足の縞模様は明暗がはっきりしている。馬にはそれぞれ種ごとに特徴を備えている。脚が細長く、体型がすらりとしたサラブレッドは、エネルギーを節約しながら遠くまで走れる。背丈が小さくて、ずんぐり体型のミニチュアホースは、家畜としても扱いやすい。足が太くて、体ががっしりした農耕馬は、重いものを背負える力持ちである。祖先の系譜を辿るため、DNA鑑定も行われた。染色体の数を調べると、家畜の馬が64本に対し、モウコノウマは66本と明らかになった。つまり、家畜化されたウマとモウコノウマははるか昔に祖先が分かれているのである。飼育されているウマは、ユーラシア大陸各地に散らばり、人に飼いならされ、馬車や競馬、乗馬用として家畜化された。例えば足が細長いサラブレッドは競走馬へ、ずんぐりむっくり体型のミニチュアホースは、産まれた時から乗馬用として育てられる。一方のモウコノウマは、気性が荒く、家畜として扱えず、遊牧民と接することはなかった。
 現在アメリカの平野に棲息するムスタングや宮崎県の野山に生きる岬馬は、比較的最近まで家畜化されていた。日本在来馬として知られる岬馬は、江戸時代に家畜化され、戦後観光客を呼び集めるため、野山に放ったという。
アフリカのサバンナで暮らすシマウマは、動物分類学上は奇蹄目ウマ科ウマ属に当たる。モウコノウマや飼育されたウマの祖先とさらに早い段階で別れている。一般的にシマウマは野生馬とはいわれていない。シマウマのほかにも、ロバがウマ科に含まれるが、シマウマよりも親戚関係は遠い。分類学上はウマ属の中のロバ亜属に含まれている。ロバもほとんど家畜化され、18世紀にイギリスで最初の蒸気機関車が走る前、重い荷物を運ぶ時に、大いに役立っていた。

 寒さが和らぐモンゴル平原の初夏、丘陵地に草花が芽吹く頃、地面の巣穴からシベリアマーモットが姿を現した。大人のメスは、赤ちゃんを連れ添い、空を飛ぶワシやタカを警戒しながら、柔らかい新芽を食べる。見張りにつく母親のそばで、産まれたばかりの赤ちゃんが、兄弟同士で取っ組み合いをして力を競い合った。食肉目イヌ科のハイイロオオカミの一亜種シンリンオオカミにも新しい命が誕生していた。生まれたばかりの子供は互いに寄り添い、母親からマーモットを与えられる。奇蹄目ウマ科のモウコノウマも出産の季節を迎えた。妊娠期間が長い分、生まれたばかりの子供は、足が発達し、生後30分で歩き出し、数日もすれば母親と一緒に走り出す。母親は、パートナーのオスと生涯連れ添い、毎年1頭ずつ子供を産んでいた。

フォトフォト


 今回NHKの取材陣は、左耳が少し小さいオスのムーフサナが率いる群れを追跡した。ムーフサナは、群れのリーダーへ上り詰めて7年目になるベテランオスである。パートナーのメスと、5頭の子供を含む7頭の群れで行動していた。体重は300kgに上り、地面にしがみつくように生える短い草を毎日20kgも食べていた。食後は、繊維質が高い草を消化するバクテリアの活動が活発になり、日当たりのいい丘の上でしばし休憩する。大人のオスとメスがかわるがわる立ち上がり、辺りを見回した。周囲に遮るもののない平原で、度々オオカミの姿を目にする。眠っていた仲間は、すぐに起き上がり、再び移動を始めた。

 モウコノウマは、歩いている最中、母親が子供に寄り添う。父親は度々群れから離れ、あたりを注意深くうかがっている。母親は、血の繋がりのない子供が近づくと、鼻を振って、威嚇した。追っ払われた子供は、自分の母親を探して、大人のメス達の様子をうかがった。血縁関係のない子供を遠ざけたメスは、前の年に産まれた自分の子供には、顔を寄せ、毛をさすった。一方大人のオスは、丘の麓から登ってくるシンリンオオカミに気づいた。足音を立てて、群れのメンバーに危険のサインを出す。動きが重い仲間に対しては臀部をかんで、追い立てる。シンリンオオカミを巻き、茂みの中に逃げ込んだ。オオカミに気づいた父親は、パートナーのメスと再会し、体を擦りつけた。オスは、もっぱらメスに子育てを任せ、用心棒になっていた。メスは、時にパートナーに対して、冷たい態度をとることがある。ある日のこと、パートナーが近づいてくると、メスはいきなり後ろ足を上げて、追っ払った。パートナーのオスは不意のことに、抵抗することが出来なかった。その年に産まれた赤ちゃんは、母親が父親を遠ざける様子を見ていた。群れに属する歳若いオスが、父親と母親の間に入り、口を動かして、甘えたようなしぐさをしていた。父親と母親は、落ち着きを取り戻し、茂みを抜け、仲間と共に歩き始めた。ムーフサナの家族は、茂みの中に慌てて入ったため、虫に刺されて、体が痒くなった。皮膚に寄生する見えない虫を落とそうと、木に体をこすり付けた。家族の中には、上唇を捲り、尻尾を振るものもいた。あの耳が短いムーフサナは、丘の斜面で孤立していた一頭のメスに走りよった。鼻を近づけて、匂いを嗅ぎ、体の向きを変え、自分の群れへ誘導しようとする。不穏な気配を察した一頭のオスウマがやってきて、蹄で地面を蹴り、威嚇のサインを出した。ムーフサナは、すぐにその場を離れ、このオスを振り返ることなく、下を向きながら歩いていった。このオスは、ムーフサナが誘ったメスのパートナーである。放浪するオスや他の家族群れのオスに対しては、俄然警戒を強め、パトロールを怠らない。ムーフサナに悪意はなかった。その場から速やかに遠ざかることで、揉め事をさけた。当のムーフサナは、誘ったメスがパートナーを持っていたことを知る由もなかった。恥ずかしそうに、下を向きながら、元来た道を戻っていった。

 群れのメンバーは、陽が高く上る正午過ぎ、標高300mの小高い丘に聳える岩の陰に避難した。日中の移動で熱がこもった影響で首や尻尾を振って、体温を下げようとする。草原には、木陰がなく、少しでも涼しい丘に上り、岩場で休む必要があった。直射日光が避けられる岩場に2頭の独身オスが近づいた。対応に追われたムーフサナは、独身オスと真っ向から向き合い、蹄で地を蹴って、睨みつけた。2頭の独身オスは、攻撃の意志がなく背を向けた。ムーフサナは、用心深い。急に足を上げて、キックを喰らわせた。独身オスは、本能から、いずれはメスを奪いに再び姿を現すはずである。早いうちに攻撃して、恐怖心を与える必要があった。独身オスは、遠くにいるメスに視線を注いでいた。ムーフサナは、家族群れに二度と近づかないように、独身オスに詰め寄り、再びキックして、退散に追い込んだ。独身オスの姿が見えなくなると、安心して、体の向きを変えた。家族の安全を守り、堂々と仲間の下へ駆け戻った。

          小見出し モウコノウマ 奇跡の復活
 
世界で唯一の野生馬モウコノウマは、一時絶滅の危機に追い込まれていた。1953年の映像を見ると、一頭のウマが、首輪をつけられ、競売にかけられていた。冬の間馬肉としても珍重され、野生種は40年前に一端絶滅してしまった。当時の人々は、乱獲で絶滅に追い込んだことを深く反省し、欧米の動物園で暮らす飼育種を野生に放つ計画を立てた。1992年、動物園で飼育された80頭のモウコノウマの第一陣が、ホスタイ国立公園に放たれ、地元の遊牧民に監視されている。遊牧民は、飼育された馬に乗り、時に野生へ放たれたモウコノウマを追いかけ、食事や繁殖の様子まで確認された。監視の任務を遂げた遊牧民には、自然保護官の資格を与え、怪我をした個体を捕獲し、獣医師の下へ運び、治療を受けさせていた。保護運動が実を結び、現在個体数は300頭まで回復した。人々が自然保護に関心を持つようになり、モウコノウマは狩猟の対象から外れ、安全に暮らせるようになった。

 第2章 潜入!謎の大集合

陽が陰ってくる夕方、小高い丘の岩場で暑さを避けていたモウコノウマの群れは、斜面を下り始めた。谷間には、湧き出した水に育まれ、濃い緑が生い茂っていた。水の匂いを嗅ぎつけて、群れのメンバーの足並みが早くなった。その年に生まれた子供も、母親に遅れないようにピタリと寄り添い、泉に足を踏み入れた。しばしの間水を飲み、足を折り曲げて、体を捻り、地面に横たわった。川床に体を擦りつけ、真っ黒に染め上げて、立ち上がる。食事のとき度々小さな茂みに入ると、寄生虫やダニが体に付き、衛生状態が悪くなる。夕方丘を降りる頃、水を浴びて、体の汚れを落としていた。群れの中にいる一頭のオスが、後からやってきた群れに気づき、体の強そうな一頭のオスに迫った。後からやっていきた体の強そうなオスとにらみ合い、喧嘩にならず、別れ始めた。時間が経過するたびに、国立公園の各地から群れが集まり、オス同士の間でいざこざが起こる。中には、後ろ足で水を蹴り、泥を跳ね飛ばす個体もいた。家族群れ同士のオスは、狭い場所でひしめき合っても、争いをせずに、それぞれ元の群れに戻った。家族を持つオスが最も手ごわいのは、若い独身オスである。独身オスは、家族群れのオスに勝負を挑み、群れの乗っ取りを企む。家族群れに属する経験豊かなオスは、若い独身オスと堂々と戦い、後ろ足でキックして、遠ざける。若くて、頑強なオスは、自分から家族群れのオスと勝負し、時に数日間戦う。持久戦になると、若いオスに分があり、家族を奪い取り、集団生活を送る。群れを率いて7年になるムーフサナは、群れから追い出され、独身生活に戻っていた。血の繋がった子供を残し、たった一頭で放浪生活を送るのである。ムーフサナは、あてもなく、食べ物を求めて歩き続けた。

 山岳地帯の国立公園は、夏でも時に寒波に襲われ、急に気温が低下することがある。小さい子供は、とりわけ温度変化に弱く、凍傷で命を落とす。母親は、首を上下に振って、起きるように促した。体が白っぽい赤ちゃんは、ピクリともせず、目は閉じたままだった。母親は、鼻を赤ちゃんの臀部に近づけ、足を突っついた。母親は、わが子の死を受け入れられず、じっとたたずんでいた。丘の上の方で家族群れに属する仲間が、この母親を待っていた。母親の方も、仲間の視線に気づいて、赤ちゃんから離れ始めたが、再び立ち止まった。足取りが重く、丘を登っても、すぐに止まってしまう。再び斜面を降りて、子供に駆け寄った。この母親は、日が暮れるまで子供の元に残っていた。

 ある日のことだった。産まれて間もない赤ちゃんが、不運にもシベリアマーモットの巣穴に落ちて、足をくじいてしまっていた。いくら大きくなってから産まれてくる赤ちゃんでも、自力で穴から足を引き抜けない。母親や年上の兄弟が、巣穴の周囲を取り巻くが、手を差し伸べられず、落ち着きなく、歩いている。窮地を察した自然保護官が家畜化された馬から下りて、救助に向かった。子供の母親と年上の兄弟は、すぐにその場を離れ、赤ちゃんだけが残された。保護官は、赤ちゃんの膝を優しく持ち上げ、背骨を掴んで、穴から引き抜いた。痛みを覚えた赤ちゃんは、鳴き声を上げて、助けを呼んだ。母親と年上の兄弟は、固唾を呑んで赤ちゃんの様子を見守っていた。保護官は、助けあげた個体の様子をチェックする。膝から下の部分が動いていることを確認し、怪我はないと判断した。保護官は、赤ちゃんにストレスを与えないように、そっと手から離した。赤ちゃんは、支えを失い、膝が曲がって、体が前のめりになった。わずかな窪みに足を取られ、一歩踏み出すと、体の軸がぶれてしまう。自然保護官は、赤ちゃんの母親と年上の兄弟の足音を察して、速やかに離れた。母親と子供は、膝が震えている赤ちゃんを保護しようと、一目散に駆け寄ったのである。保護官は、腰をかがめて、様子を確認した。母ウマが赤ちゃんに寄り添い、前足と後ろ足の間に入れた。子供は、母親の姿が見えて、安心し、数分立つと、足の状態が元に戻った。母親に付き添われ、家族群れの中に戻り、再び歩き出した。産まれてくる子供は、不慮の事故やオオカミの襲撃によって、1歳になるまでおよそ4割の個体が命を落とすという。年上の兄弟の手助けも受け、胃が発達するまで、母乳のみで過ごす。

フォトフォト
 
モンゴルの草原で生きるモウコノウマは、一旦野生種が絶滅した過去がある。動物園で飼育されていた馬が、人の力によって、野生に返され、国立公園一帯に散らばって、着実に子孫を増やしていた。家族群れに属するオスウマは、時に独身オスと勝負に挑み、後ろ足のキック力を生かして、追い払っていた。独身オスの方も、自分の群れを持とうと、勝負に負けてもくじけずに、群れオスに立ち向かった。成熟したメスは、毎年子育てに時間を費やす一方、群れオスは、食事している最中も見張りに付き、独身オスをけん制していた。時に荒々しい一面を見せるオスウマは、自分の身を犠牲にしてまで家族を守りぬく覚悟を決めていたのである。今日も広大な草原が広がるモンゴルの大地を走り続けている。



 過去のネイチャー・ドキュメンタリー作品

2026年2月25日付 「武蔵野の大地に生きる里山の小さな狩人モズ 知られざる姿」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991684496&owner_id=32437106&from=list_diary_title

過去の作品

2026年1月19日 「都市の身近な自然!三浦半島の小網代の森に生きるアカテガニ」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991466089&owner_id=32437106&from=list_diary_title


2026年1月13日(火曜日)「オランダの大地を駆ける野生馬コニックの一年」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1991431033&owner_id=32437106

2025年8月10日 NHKダーウィンが来た!ベストセレクション スナドリネ
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990495441&owner_id=32437106

2025年5月29日付 NHK ダーウィンが来た!ワイルドライフ ベストセレクション「世界遺産北海道知床半島のカワガラスの一年」2014年放送
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990057234&owner_id=32437106

・2025年4月28日付 オーストラリアのコアラ
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989865779&owner_id=32437106

・2025年4月24日付 オーストラリアのディンゴ
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989841093&owner_id=32437106





16 12

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年03月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031