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2025年08月10日19:53

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NHKダーウィンが来た!ベストセレクション スナドリネコ

今回は、NHK総合テレビにて日曜午後7時30分から放送している「ダーウィンが来た!」のベストセレクション。主役は東南アジアの沼地に生息するスナドリネコである。

 ネコといえば、好奇心が強く、小さな爬虫類やネズミを含め小動物を狩るイメージを持つ。水を怖がり、泳ぎは不慣れだった。スナドリネコは、常識を覆すかのように水辺に適応し、日常的に泳いで沼地を横切っていた。舞台となるスリランカの湿地では、魚を狩る名ハンターとして君臨していたのである。今回野生の暮らし振りを解き明かした。

 写真=2013年8月13日に大阪府天王寺動物公園で撮影したスナドリネコ
フォト

 必:同園のホームページによると、「2017年11月18日にスナドリネコの幸が亡くなりました」と報告されている。

 詳細 動園ホームページ https://www.tennojizoo.jp/blog/1403/

 以下 直近の動物関連日記

・2025年7月27日付 動画アリ!熊本県天草の海で、バーチャル世界の生き物、ホイミスライムが出現する。https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990410576&owner_id=32437106

 以下 直近のNHKワイルドライフとダーウィンが来た!のベストセレクション

・2025年5月29日付 NHK ダーウィンが来た!ワイルドライフ ベストセレクション「世界遺産北海道知床半島のカワガラスの一年」2014年放送
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990057234&owner_id=32437106


             <漁をする猫 スナドリネコ>
  
 初回放送 2008年11月9日 第124回目 写真出展先 番組内より 当時のガラケーのカメラにて撮影

 目次
・第1章   知られざる野生ネコ
・第2章   ついに成功!ネコの漁                  
・小見出し 漁場を追われたネコ
・第3章   ネコ 対 巨大トカゲ



水面から顔を出して川を渡るスナドリネコは、中国や東南アジアで暮らすベンガルヤマネコの近縁種である。日本のイリオモテヤマネコとツシマヤマネコにも近い仲間だが、生活スタイルは大きく違っていた。水を怖がるどころか、川を泳いで、もっぱら魚を取っていたのである。今日は、水の中で唯一頻繁に狩をするネコ科の一種スナドリネコの暮らしに迫る。

 
              第1章 知られざる野生ネコ


 インドの南端に浮かぶスリランカの西海岸にあるムツワラウェラ自然保護区は、マングローブの林が生い茂り、水路が複雑に張り巡らされていた。木々の根っこが絡み合って、枝を伸ばし、太陽の光を遮り、緑のアーチを作っていた。マングローブの湿地帯を住処にする今日の主人公スナドリネコは、池の辺に度々姿を現す。水深が浅い池の中では、小魚が口をあけて、酸素を補給していた。
 NHKの取材陣は、国立公園に勤務するレンジャーの指示によって、緑色のテントを水辺に設置し、自動カメラを取り付けた。池に突き出た枝先にカワセミが止まり、水中の様子をうかがっている。林の中からは体調2mのミズオオトカゲがやってきた。短い前足と後ろ足で体重を支え、地面を這いながら、水の中に潜った。驚いたカワセミは、狩りをせずに、飛び去っていった。においに敏感なミズオオトカゲは、魚をくわえて、水面から顔を上げ、鰭の部分から飲み込んだ。取材陣は4日間池の辺でじっとスナドリネコを待っていたが、手がかりが得られなかった。
 公園を良く知るレンジャーが辺りを探索し、泥についた足跡を見つけて、取材班を呼び寄せ、テントの設置場所を変えさせた。陽が落ちると、辺りは真っ暗闇に包まれ、見通しが利かなくなる。取材陣は、体温を感知する赤外線カメラから水辺をのぞいた。センサーは、茂みの中からわずかな光を捕らえ、急に作動した。光の正体はスナドリネコの目だった。茂みの中から姿を現し、水辺で立ち止まった。性別はオスで、イエネコの2倍の大きさになり、耳が小さく、口髭がぴくぴく動いていた。

フォトフォト

音をたてないように静かに池に入り、前足で土の中を探った。手ごろな食べ物が見つからず、後ろ足も水の中に入れて、歩き出した。スナドリネコは、毎日決まった時間に水辺に現われ、魚や甲殻類を探していた。住処となる森は、雨がたくさん降るため、いくつも湿地が点在し、水に対する恐怖心が無くなったといわれる。水の中で進出する上で、足を伸ばすと、指と指の間が開き、熊手のような形になった。指先が大きく開くことで、物を握りやすくなる。魚と期待して泥の中から物を引き上げると、木の枝やヤシの実だったりする。センサーのような働きをする髭を使って、泥の中に手を入れても、暗闇の中では魚を捕らえることは難しかった。

フォトフォト

 スナドリネコは、野生で暮らしているネコ科に属する動物で、家ネコとは遠い親戚に当たる。家ネコの直接の祖先は、アラビア半島からアフリカ北部に広がる砂漠地帯に住むリビヤヤマネコといわれる。8000年前に、農耕牧畜で村を発展させた人類が、頻繁に砂漠に住むリビヤヤマネコと接するようになった。リビヤヤマネコは、物置に潜むネズミを取り除いてくれることから、餌付けされ、人々に飼いならされた。ヒトとネコの関係は深まり、文明の発展に繋がった。4000年前のエジプトでは、太陽の神の使いとして、ネコは信仰の対象になり、ミイラまで掘られ、神殿に奉納されたという。古代エジプトで飼いならされた猫は、ローマ帝国へと渡り、ヨーロッパにも伝わった。古代ローマ帝国では、癒しのペッドとして定着した。ネコは、これからもヒトと関わりながら生きていく。

 
           第2章 ついに成功!ネコの漁


暗闇の中手探りで魚を捕っていたスナドリネコは、昼にも活動する。右上の模様に傷があるネコが、昨夜に続いて取材陣の前に現れた。設営したテント付近を縄張りに持ち、喉の渇きを潤すため、定期的に水辺にやってくるのである。取材陣は、2度にわたって姿を現したオスのスナドリネコをビビアと名づけた。泥水の中に入り、無人カメラの前で足を止め、辺りを見回して、去っていった。昼間は狩りをせず、パトロールにとどまる。木の枝と枝の間のトンネルを通り、夜の間に池から運んだヤシの実に噛み付いて、繊維をばらばらにしていた。繊維をはがして、一つに束ね、フカフカのベッドをこしらえていたのである。
 寝床を撮影してから3日間消息が分からず、4日後の夜にヤシの実を調達していた水辺に姿を現した。前足を泥の中に入れて、かき回し、鼻先を水面に近づけた。魚の匂いを嗅ぎ取り、髭がぴくぴく動き、口にくわえた。

フォト

入り江から30m離れた池は、満潮時に海水が入り込むと共に魚がやってきて、干潮時に取り残されることがある。太陽の日差しを受けて、水が搾り取られ、酸欠状態に陥り、土の中に埋まる。ビビアの髭は、この死んだ魚の匂いに反応していたのだった。他の場所に暮らすスナドリネコも同じように死んだ魚を捕獲しているのか、明らかになっていない。生きている魚に比べて栄養価は確かに低い。それでも川の中でサケやマスを追いかけるヒグマに比べれば、運動量を極力抑えて、食事をすることが出来る。狩りにエネルギーを費やさないため、日中に睡眠をとらなくてもパトロールする体力が残っていたのである。縄張り内に池があることで、食料に困ることはなかった。

           
小見出し 漁場を追われたネコ

 スナドリネコは、近年宅地開発によって、住処を追われ、人里まで足を向けるようになった。食糧不足を快勝するため放し飼いにされた子ヤギや鶏を襲うところが目撃された。地元の農家は生活の糧となる家畜や農作物を守るため、畑や鶏小屋に罠を仕掛けた。捕獲したスナドリネコは、地元の局員に連絡を入れて、引き取ってもらう。局員は、捕獲されたスナドリネコを国立公園に移送するのである。限られた面積の国立公園で、スナドリネコの生息密度が高くなり、縄張りを巡る争いが激化すると懸念されている。近隣の村の人口増加に伴い、スナドリネコの漁場が埋め立てられ、畑に変わっていた。スナドリネコは、人を警戒しながらもやむを得ず、里に現れるようになった。経済発展の裏に環境破壊が起こっていたのである。
   
 

           第3章 ネコ 対 巨大トカゲ


ビビアは、次の日の昼間も池の中に前足を突っ込み、食事の前に辺りをうかがった。対岸からミズオオトカゲが近づいていた。

 写真=ミズオオトカゲ
フォト

視力の悪いミズオオトカゲは、スナドリネコの匂いを嗅ぎ採り、距離を詰めようとする。ビビアは、漁場を守るためにも、ミズオオトカゲの隙を見て、攻撃を加えようとする。根元が太いマングローブの木の裏で音を立てずに歩いて、池の辺に向かった。少し気が緩んだ隙に、物陰に隠れていたミズオオトカゲに引っかかれ、慌てて飛びのいた。無人カメラの映像から、臀部の辺りの毛が抜け、出血している様子が分かった。軽度の怪我ですみ、健康に害はなく、薮の中に入り込んだ。その後無人カメラの映像には、数日立ってもビビアの姿は映らなかった。取材班は、オオトカゲを恐れたビビアは、縄張りを離れたと確信し、テントを畳み、レンジャーと共に船に乗ってその場から離れた。船の前方に座るレンジャーは、顔を出して犬かきのような泳ぎで対岸を渡るビビアを偶然発見した。目の上の傷跡からビビアと特定できたのである。オオトカゲとの争いに負けて、新たな漁場を求めて、対岸へ渡っていく途中だった。
 東南アジアの熱帯雨林に棲息するスナドリネコは、湿地帯に適応するため、熊手のような手を獲得し、泥の中に埋まっていた魚を掴みやすくなった。センサーの役割を果たす口髭を使って、水底に埋まる魚の匂いさえ嗅ぎ取り、暗闇の中でも餌を獲得していたのである。時には、落ちたヤシの実を拾って、寝床に持ち帰り、繊維の部分を裂いて、ベッドをこしらえていた。近年人里に頻繁に現れるようになっても、野生の暮らしは未だに分からないことが多い。

 写真=泳ぐビビア
フォト

オオトカゲに漁場を明け渡したオスのビビアは、対岸の森に渡り、縄張りを巡って、ライバルと争いが起こるかもしれない。人口増加に伴い、スリランカに暮らす野生動物は住処を追われ、生息数が減少傾向になった。湿地に適応したスナドリネコの未来は、我々人間にゆだねられている。







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