日曜日のメンデルスゾーン《讃歌》の録音が届いた。昔はコンサートの録音といえばCDやDVDに焼いてもらったものだが、いまはメールでデータが送られてくる。便利な時代である。
ただ、問題は再生だ。録音がどんな機材で、どこにマイクを立てて行われたのかはわからない。さらに、それをスマホやタブレットで再生すると、音はせいぜいAMラジオ程度になってしまう。
とりあえずスマホにBoseのヘッドホンをつないで聴いてみた。録音や再生機器が貧弱だと――言い過ぎかもしれないが――かえって粗が目立たず、うまく聞こえることもある。パートの中に、自分の声らしきものが混じって聞こえる。客席で聴いていた友人が「男声がまとまってよく聞こえた」と言ってくれたが、なるほど、そういう響きだったのかと合点がいく。
ソロもよい。とくにテノール。オーストリア人でドイツ語のネイティブ、いわゆるキンキンしたテナーではないので、リハーサルでは少し物足りなく感じたが、本番ではメンデルスゾーンをドイツ・リートの響きで歌っていた。こういう感覚は日本人やイタリア・オペラ系の歌手にはなかなか出せない気がする。もっとも、素人の感想ではあるが。
最近は声楽のコンサートやコンクール、少人数のアンサンブルの録音を聴くことが多かったが、オーケストラ付きの百人規模の合唱もやはりいい。
階段を踏み外して転び、まだ体のあちこちが痛む。それでも、この録音を聴いていると、少しだけ気持ちが軽くなった。
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