最近の京都で感じる違和感
写真の男性が着ているのは、紋付羽織袴(五つ紋・準礼装〜正礼装) に相当する、極めて格式の高い装いです。
本来これは、結婚式や成人式、公式儀礼など、人生の節目や公的な場で着用される衣装です。
ところが最近、この装いで京都の街を散策している外国人男性観光客を頻繁に見かけるようになりました。
カップルの場合もあれば複数の男性の場合もあります。
では、なぜ「おかしく見える」のでしょうか?
これは洋装に例えるなら、モーニングコートやタキシード姿の正装で観光地を街歩きしている状態に相当します。
衣装そのものが悪いのではありません。
まして、それを着ている外国人観光客が悪いのでもありません。
問題は、観光客の目的を十分に理解しながら、この装いを勧め、着せている業者の常識と姿勢にあります。
一言で言えば、これは 日本文化への配慮を欠いた行為 です。
京都の着物レンタル店の一部は、外国人によって経営されています。
現在の「観光レンタル着物」は、必ずしも伝統文化の延長線上にあるものではなく、観光向けに再構築された、別次元のビジネスです。
今、起きている現象は、日本文化体験というよりも、しきたりを無視したコスプレ体験です。
もし観光客が、五つ紋の羽織や派手な袴の意味や格を十分理解した上で、それでも「コスプレしたい」と選択しているのであれば、それ自体を否定するつもりはありません。
しかし、、着物の意味や格式を知らない客に対して、見た目の華やかさだけを切り取り、「和装だから問題ない」と勧めるのであれば、それは日本文化の体験とは言えないでしょう。
ある意味、文化破壊です。
日本に憧れ、本物の着物文化に触れることを楽しみに、遠路はるばる訪れてくださる海外のお客様には、少なくとも次の二つの選択肢があることを、伝えるべきだと思います。
1.格式やTPOを無視した、派手で目立つコスプレを楽しみたいのか・・・
2.日本の伝統に従い、目的に相応しい着物を選びたいのか・・・
観光で着物を楽しんでいただくこと自体は、日本人として、とても嬉しいことです。
しかし、もし外国の方が誤った理解のまま体験しているとすれば、それは 「嘘の日本」を体験している ことになってしまいます。
皆様は、この件についていかが思われますか?
成願義夫
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