ソファーの横で寝ているアビを見ていると、「しずかに かしこく 老いるということは」という一節が、ふと浮かんできた。
多田武彦《尾崎喜八の詩から》の第3曲「春愁」である。テノールのソロが静かに歌い出し、やがて合唱がそれを受け取る。感情を語りすぎず、しかし確かに心の深いところに触れてくる曲だ。
この組曲は、多田武彦の作品の中でも個人的にはベスト3に入ると思っている。技巧を誇るわけでもなく、声の若さを競うわけでもない。むしろ、人生を一度通ってきた声でなければ本当には歌えない音楽だ。
また歌ってみたい。
https://youtu.be/yS3q5d6VDpk
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