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2018年08月04日15:43

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ワイルド7 二次創作 新ワイルド7最終章 第一章 ブラッディ・クロス ��

100インチはある巨大な液晶テレビにてライブ中継されているオプシヌプリ湖サミット籠城事件。
遠くにオプシヌプリ湖ホテルを望むスキー場から現地出張した女性キャスターが甲高い声でレポートしている。
「・・・事件発生から二十七時間経ちましたが、スノービルに乗ったサバイバルゲーマーたちが撃ち殺された以外には大きな動きがありません!!・・・」

それを観ながら、麻生芸能社長の岡本、副社長の神(じん)に向かって葉巻を降りつつ愚痴る。
「おい、今度も大丈夫なんだろうな、あのジョナっての」
「大丈夫です。本人は気づいちゃいませんが、声をかける男はみんなウチがたっぷり搾り取ってますからね。例の野球選手もチームはおろか、親会社からバッチリ」
「億単位の稼ぎだったな。一万もしない安いラブホテルが億のカネ・・・笑いが止まらんわい」
「今度はIT社長とのスキャンダルを設定しております」
「結構、結構!!」

そこへ、顔全体から血を流した大男が現れる。
「社長、ワイルドって名乗ってる野郎が面会を求めています・・・」
「何!!」と神。「飛葉か!?」
そこへ、大男を突き飛ばすようにして入室してくる男。
「元が抜けてるぜ・・・元ワイルドの水戸っぽ様だ」
足が悪いらしくステッキをついている上に、ロン毛、無精ヒゲ、ミリタリージャケット、ジーパンという小汚い格好である。
「水戸か・・・新しいワイルドで飛葉の仲間の一人だったナ・・・」と神。
「誰だ、おめえ?」
「飛葉の昔の仲間だった男さ。危なく殺されかけたんで、今は敵だがね・・・神だ」
「俺も今は敵さ・・・俺のことを知っている?」
「いつか飛葉に復讐しようと、ワイルドの新メンバーをすっかり調べ上げたことがあってな・・・あんたは確か、自衛隊出身だったっけな、秘熊首相時代はクーデターに参加してたと・・・」
バン、と銃声。
水戸が腹に差していたSIG SAUER SP2022を撃ったのである。

フォト


40S&W仕様の大口径のため、神の腹にはデカイ穴が開き、グエッと腹を押さえて仰向けにひっくり返ったのを、水戸、股間を踏みつぶすように体重をかける。
「そこまで知ってるとはな・・・他に知ってるのは?」
神、アウウと呻いて、キッと岡本の方を見上げる。
「そこにいる岡本?心配するな、彼は今回の大事なコマだからな、秘密を知ってても生かしておくさ」
バン、とまた銃声が響き、神、頭を大口径で吹っ飛ばされ絶命する。

「さて、と」水戸、岡本を振り返り、「あんたは確か千葉の赤井門組の五代目を殺し屋を雇って消したナ?」
「き、貴様ァ・・・貴様も消すぞ、こんなマネさらして!!」と岡本。
「ゴリラを雇って?心配するな、野郎は俺が消した・・・別にあんたを捕まえよォって話じゃない、俺のチームを作りたいだけさ・・・ゆっくり話そうじゃないの、おい、そこのデカブツ、お客様にお茶も出せねえのか?ついでにそこのゴミも片せよ?」
そこで、水戸、チラリと神を見やる。

半蔵門線。
車内で多くの乗客がドアの上のモニターのオプシヌプリ湖サミット籠城事件ライブ中継に釘づけになっている中、一部の乗客たちは別のものを見ていた。
今風の不良たちが数人で一人のオタクを殴ったり蹴ったりしているのである。
「もっと痛え目にあいてえのか?」と一人。
「親が政治家なんだからよォ、いくらでもカネ持ってこれんだろォが!!」ともう一人。
「みなさんに申し訳ないと思わねーのか、税金を少しでも俺らに回すのがおめえの義務だろ?」とリーダー格。
床に這いつくばり、割れたメガネをかけ直し、折れた歯を口から吐き出しながら、ドアの手すりに寄りかかりながら立ち上がろうとするオタク。その眼光はオタクを思わせない輝きがある。
「何だ、その目はァ!!」と不良、オタクの顔面に強烈なパンチをお見舞いする。
ジッと座ったまま、身動きひとつしない乗客たちの中、一人の老人がスッと立ち上がる。
ダブダブのスーツを着た老人で、腰が曲がっている上に、背中のコブが異様に盛り上がっている、せむしの老人だった。
よちよちとリーダー格の前に歩み寄り、にっこりと笑う。
「男が数人がかりで一人を相手にするなんて、恥ずかしいと思わんかね?」
「うるせえ、気味悪りィな、あっち行けキモジジイ!!」
リーダー格の唾をまともに浴びた老人、腰から絹の手拭いを取り出し、ポケットからミネラルウォーターのペットボトルを出して、手拭いに少し垂らして濡らして顔を拭く。
そのゆっくりとした動作にイラついたリーダー格、このォと老人の胸ぐらを掴もうとする。
老人、ミネラルウォーターを手拭いにドボドボとかけ、びしょ濡れにすると、気合い一閃、横になぎ払う。
リーダー格の両手首が斬り落とされ、ギャアッと叫ぶのを尻目に、老人、濡れた手拭いを振って、残りの不良の耳、頬肉、鼻をそぎ落とす。
血まみれになって転げ回る不良たちを見下ろすオタク、驚愕の表情で、老人に目を移す。
老人、にっこり笑って、「後ろ手に握ってるものを渡しなさい」と優しく言う。
オタク、コックリ頷いて、ダガーナイフを手渡す。
「ほお、これはよく切れそうだ。じゃが、わしの手拭いの方がよく切れる」
「と、特別製の手拭いなんですか?」
「ただの絹じゃよ。絹は濡らせば強度は抜群でな。ただし、武術の心得がなければ使いこなせん。よければわしのところで鍛えてみるか?」
オタク、はいと即答する。
老人、にっこり笑って「英重臣じゃ」と言う。
二人、永田町駅で降りる。

北海道、オプシヌプリ湖周辺の民家前。
孫娘とおじいちゃんがデジカメを持って突っ立っている。
道を走っていくパトカーを撮っている。
「おじいちゃん、今のは何て読むの?」
「あれは京都府警・・・はるばる京都から来たんじゃねェ・・・」
「日本じゅうのパトカーが来てるんだね!!」
「そうじゃねェ・・・おっと」
二人の前に一台のシボレー・カマロSSが停まる。
乗っているのは菊川警視監。

フォト


ピッと警察バッジを見せ、「あんたら、連日パトカーの写真を撮っちゃ、コレクションしてるそうだな?」と降りながら言う。
「何で知ってるの?」と孫娘。
孫娘の方をチラリと見、菊川、無愛想に「ニュースでやってたんだよ、インタビューを受けたの忘れたのかい?」と言い放つ。
「あー、そうじゃそうじゃ、そういえば一昨日受けたわい。で、あんたはいくら出すのかね?」
「バカ言いなさんな、国家の緊急事態だ、さっさと見せろ!!」
「ハイハイ・・・」
しばらくコレクションを眺めていると、国産車の覆面パトカーが次々と停まり、特捜隊の面々が現れる。
「菊川警視監!!」と一人。
「うむ、やっぱり思った通りだ、サミット警備の応援はおろか、籠城事件の応援にも参加していないところが一つだけあった・・・」
「どこです?」
「神奈川県警だ」
そこへ、孫娘、嬉々としてカマロや国産車を撮りながら、「おじいちゃん、この前もこんな感じのバイクが通ったネ!!」と言う。
「バイク・・・!?」菊川、「この先のどっちへ行った?」
「あっち」とおじいちゃん、無愛想に答える。
指さした方を見ると、臨時に設置された標識には「オリンピック選手村」とある。
「7台か?」
「そォじゃったかな・・・認知症一歩手前でのォ・・・何かきっかけがあれば思い出すんじゃが・・・」
チッと菊川、懐から札入れを取り出し、一万円札を二枚取り出して手渡す。
おじいちゃん、ニヤッと笑って、「思い出した、確かに7台じゃったよ」と言う。
「よし、出動!!」と叫ぶ菊川に向かって、孫娘、「神奈川県でコンプリート出来るのにどうして来ないの?」と言う。
菊川、運転席から「さあな」とまた無愛想に言い捨て、アクセル全開でぶっ飛ばす。
続く覆面パトカーの列。

麻生芸能社長室。
岡本社長と水戸の前に二人の若者が通される。

「そちらはウチの舎弟の客分扱いで主に用心棒をしてもらってる・・・勝吉(かつよし)ってやつだ」と岡本。

勝吉と紹介された青年は和柄のガイコツTシャツ、和柄ジーパンに雪駄という格好で、丸いサングラスをかけている。
その風貌は・・・
「勝吉とやら、おめえのオヤジは大親分だったって?」と水戸。
「何っ、そうなのか、初耳だぞ!!」と岡本が喚くのを無視して、黙っている勝吉の後ろに回り込んで、水戸、懐からコルトパイソン357マグナム6インチを取り出し、勝吉の手に持たせる。

フォト


「おめえのオヤジの形見だ・・・今日からおめえが使え」
そこで勝吉、水戸に向かって初めて口をきく。
「あんた、オヤジのなんなんだ?」
「かわいい後輩だよ。さてと・・・そちらは?」
水戸に促されて、岡本、うろたえるが、落ち着きを取り戻すと「紅(くれない)だ。ウチが取引している運輸会社のドライバーだが・・・こいつもあんたの知ってるやつか?」
「会うのは今日が初めてだがな・・・おたくで使えそうな野郎というと、この二人しかいなかっただけの話さ」

紅と呼ばれた青年はほっそりした身体つきで、ミュージシャンのような派手なシャツ、パンツ、頭は金髪に染めている。
「俺とはどういうつながりがあるんだい?」と紅。
「おめえのオヤジは空コンツェルンを壊滅させた紅一族の生き残りでな・・・俺は自衛隊にいた時、特殊任務でオヤジを無事帰国させたんだ。そのおかげでおめえが生まれてる・・・オヤジはどうした?」
「先月死んだ、病気で」
「そうか、今日から俺が第二のオヤジだ」水戸、ジェリコ941を紅に手渡す。

フォト


「さてと・・・これで三人。残り四人か・・・岡本、ごくろうサン、今回は大事に扱ったぜ・・・次はこういう風に扱う!!」
水戸、二発撃って、岡本の両耳を撃ち抜く。
ギャッと叫ぶ岡本が倒れる中、モニターでレポーターのジョナが何かを喚いているのが大写しになる。

「緊急事態です・・・!!ただ今、会場内で大規模な銃撃戦が行われている模様です・・・!!」

カメラ、会場のアップに切り替わり、ガガガッという銃撃音、グワッという爆発音を拾うが、画面のホテルには何の変化も見られない。

「始まったな・・・」と水戸。
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