フランク永井さんの『君恋し』の歌の出だしは「宵闇せまれば……」である。
この歌を本当に楽しむなら宵闇せまる時間に限ると夕方に散歩を始めた。
散歩の経路は空港への山道の県道にの側道である歩道だ。
そんな時間帯に素敵の女性が歩いているはずなんかない。
それより歩行者は誰もいなかった。
帰り道に待ち構えていたのは獰猛な野犬の雄6頭の群れだった。
もう暗くなっていたから自分たちの時間と思って山から下りて歩道にたむろしていたのだ。
子供なら絶対に噛み付かれる。彼らは餓えているからだ。
素敵な低音を聞かせたら野犬のリーダーは一目散で逃げた。
野犬の世界でも馬鹿はいるものだと思った。
僕に吠え掛かる愚か者がいたのだ。
歌っている重低音は出せる低音の限界なんかではない。
限界の低音は軽く3半音は低い。
その声を聞かせたら馬鹿犬も走って逃げた。
限界低音には「逃げなかったら調理してお前を食うぞ」のメッセージを入れているからだ。
失うもののない野犬でも命だけは惜しいようだからね。
大人の男性の低音は本来狩人の声なのである。
つまり野犬でさえも恐怖の殺害予告と聞こえるのである。
温泉の男湯の湯船が満員のとき一声唸ったら
湯船の中は僕一人になったこともあった。
獰猛な野犬がこれなら人間なら当然と思った。
その後はどうしたかって。
『君恋し』を重低音の男声から可愛い美少女の声に変えて散歩を続けたのだよ。
美少女の声で歌う『君恋し』初めてだったけれど抱きしめたくなったよ。
いくつもの声があるけれど
どれか一つの声で練習したら全部の声で練習したのと同じになるんだよ。
だから美少女の声は初めてでもきちんと歌えたんだよ。
便利でしょう。
では、またね。
声の魔法使い 風かおる
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