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2014年12月09日18:55

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血まみれの青春、ネオ・スプラッターパンクの可能性。

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スプラッタパンク (Splatterpunk)

David J. Schow が1980年代中ごろにプロビデンスで開催されたワールド・ファンタジー・コンベンションで使った用語。ホラー小説のサブジャンルであり、流血シーンを鮮明に残虐に描くことを特徴とする。ボディホラーと呼ばれるジャンルと重複する。1980年代から1990年代にかけて一部で好んで使われたが、現在ではあまり使われていない用語である。

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今日の夕方は、近所の高校の映研のメンバー、OBたち、顧問の先生、そして教頭先生もまじえて犬神図書館にて白熱した「血まみれ映画の是非」を議論しあった。上に貼った5点の画像はその際参考資料として提出されたものである。
上から順に、殺人マニアの女性教師と殺されることに快感を覚える少年少女のハナシ(後藤寿庵先生 「他殺志願」)、文化祭でミロのヴィーナスを演じるために両腕を切断される少女のハナシ(さちすけますむら先生の同人誌)、人喰い少女のハナシ(ムカデ島 (窓)先生 「十人十食」)、欠損少女、はらわた垂れ流し少女。

当然のことなのだが、連続して青少年にふさわしくない表現としてPTAはおろか、教育委員会からも問題視されているのを受けて、映研のメンバーに機材貸与とともに過激な思想を植え付けている親玉として私の真意を確認しに来たというわけであった。

今年新しく配属されたという教頭先生は映研の今までの作品を視聴覚室で観て、かなりびっくり仰天したそうである。映像は8ミリ世代の教頭先生の目から見たらものすごくクォリティが高く、作品としてレベルは高いのだけれど、内臓飛び出し、人体破壊、鮮血噴出というグロい表現で何もかもが吹っ飛んでしまって後には嫌悪感と恐怖しか残らなかったと。

私の立場は超常現象研究会と同じく民間特別顧問であり、高校と町内のあいだを取り持つ役目も果たす、昔の言い方で言えば顔役なのだが、こういった猟奇ものにも精通していることもよく知られている。生徒の親御さんは「安心出来る危険人物」などと評価しているそうで、思わずニヤッとしてしまう。

「そもそもですね」と私は切り出した。「これまでに一本どころか四本もこういう作品が撮られて上映されたこと自体をどうお考えですか。学校側の寛容さがあればこそなんです。表現の自由もそうなんですけれど、何よりも生徒たちが協力しあって成し遂げる結果ですし、血まみれやはらわたなんて昔からあるお化け屋敷のそれと大差ありませんね。そんなに騒ぐことじゃないんですよ。悪影響を心配しているんでしたら全然杞憂です。この私にしてからが注射が大嫌いですし、ここにいるみんなも隠れて犬猫を殺したりしてませんよ。殺してないよな?」
「ははは、殺してません」と映研のメンバー。
「創作で満足しちゃうからなんですよ。先生、あなたも若い頃誰かを殺してしまいたいほどムシャクシャしたことがおありでしょう。その時どうやって発散しておられました?我々は創作という手段があればこそ、健全に生活することが出来るのです」

いつもの屁理屈でがぶり寄りの私の最も得意とする荒技に、教頭先生は納得したような出来ないような、苦虫を噛みつぶした顔になっていた。

「もしかして校名を心配してるんですか?その心配はいりません。こちらのOBのK君は映像制作会社の若きエースとして活躍されていますし、他のみなさんもそれぞれ業界職に就いております。誇らしいと思いますがね。ハリウッドデビューしたらCNNが取材にくるかもしれませんぜ」CNNというコトバに先生はビクッと身体を震わせたので、私はここらへんでトドメをさすかと用意していたVTRを手に取った。「CNNといえば私が卒業した高校に取材にきたことがありましてね、その時のビデオがありますのでごらんにいれましょう」

再生。

「このヒト誰だかワカりますか?そう、岡本太郎先生です。美術部の後輩が一年生にして気色悪い彫刻作品を作って県の大賞を受賞したのでお祝いにきたんです。それをCNNが取材しに来たんですよ。あ、ここで留学生のヘルムート君がインタビューに応えてますが、ケツにぴったりくっついているのが私です。いやー、若いな、やっぱ17歳だからな」
教頭先生は笑っていたが、実際にCNNが取材しに来た映像を見せられて圧倒されていた。

辞去していく先生を見て、K君がぼそり。「また勝ってしまいましたね!」

「ふふん。ひとひねりよ」と私。

・・・・・・

スプラッター・パンクはサイバー・パンクの派生としてスチーム・パンクとともにアメリカで誕生したムーブメントである(最上記のウィキをご参考あれ)。短命に終わってしまったが、いわゆる八十年代ホラーのスプラッタームービーに影響を与えた。

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「ヘルレイザー」がそうであり、「死霊のえじき」がそうであった。

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我が国なら宮崎勤の事件を受けて発禁になってしまった「ギニー・ビッグ」シリーズがそうである。

高校の頃。文化祭でお化け屋敷をやっていた時、他のクラスもお化け屋敷をやっていたのだが、客の入りは私のクラスがぶっちぎりで差をつけていた。ゴムマスクを着けた私が暗がりのなかで大の字になり、私の身体を踏んづけた客の足を掴むというショック・アトラクションは好評でガチ泣きする女子も出たくらいであった。

それに引き替え、他のクラスはなぜサッパリだったのか?担任の先生のアイディアとやらで、部屋の四隅にモニターとビデオを設置して、「死霊のえじき」の身体がバラバラになるシーンを繰り返し流していたのである。私はライバル視察で入ってみたのだが、これっぽちも怖くなく、しかもつまらなかった。同行した女子に怖いか?と聞いたら、血ィ見たくらいで女はびびらねーよ!と鼻息を盛大に吹いていた。

それ以来。

スプラッター・パンクの過剰な人体破壊、流血の表現は青少年にとって有害なものではなく、むしろ耽溺すべきものなのではないかと思うようになったのである。ロックを聴いたり、バイクに乗ったりするように。

青春は血まみれでなければならない。

そこに私の思想の根底が横たわっている。

先生が帰った後、みんなで検討しあった結果、来年度の作品は人喰い女子高生のハナシでいくことになった。

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映画「ホステル」のように犠牲者を椅子に縛りつけて生きながら切り刻んで食べていくのだ。

こうした猟奇表現に没頭する時、少年少女は衝動、興奮、その他のムシャクシャをきれいさっぱり昇華することが出来る。今までのスプラッター・パンクはいかにグロく見せるかであったが、新世代のネオ・スプラッター・パンクは、いかに人間らしく、ドラマティックに見せるかで、言わば純文学化をはかる。そうすることでより深みを増そうとするのがねらいだ。
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