昨晩、ニュースのつぶやき(女の泣き顔の写真集が出るとかいうやつ)にローラ・ダーンの般若泣き顔を載せたらものすごい足跡がつき、「CGでしょ?笑」などと愉快なメッセージを頂いた。
女のカオがあそこまで歪むのは信じられなかったようである。
でも人間のカオは筋肉で出来ている以上、伸びたり縮んたりするものだし、顎の関節が外れるとギョッとするくらい垂れ下がる。そして男に比べて女の方が表情のバリエーションが豊かだ。
その証拠に能面を見てみると、男に比べて女の面の方が多い。
世阿弥は小面ひとつで女のすべての“面影”を演じたという。それは即ち、演じ手が女そのものを深く識っていたからで、女性(にょしょう)はかくも芸術の動機、静機になりうるのである。
つまり女のカオはそれだけで美しく、奇怪(フリーク)で、そしてひとつの呪術なのだ。
以下に思いつくまま女の表情を貼っていこう。
イチバン上は「インランド・エンパイア」のローラ・ダーン。彼女は般若泣き顔もそうだが、とろけるような表情がフリークっぽくってリンチが気に入るのはほんとうに納得出来る。
二枚目のララ・フリン・ボイルは「ツイン・ピークス」のオーディションでリンチに泣き顔が気に入られてドナ役に抜擢されたそうだが、ローラ・パーマーの死を告げられた際に泣き出すシーンはどこか人工的で思わず目をそむけたくなる何かがあった。三、四枚目は「ポゼッション」のイザベル・アジャーニ。狂気の怪演が話題になったカルト作で、映画史上最も凶悪なカオであった。五枚目は「キャリー」のシシー・スペイセク。豚の血を浴びた後のこの形相がトラウマもので、リメイクでクロエが頑張ってもついにオリジナルを超えられなかった。六枚目は「エスター」のイザベル・ファーマン。幼くしてこの形相が出来るという衝撃の演技をみせた。クロエのキャリーに対抗して「サスペリア」のリメイクに主演する予定であったが、企画自体がポシャッてしまった。七枚目は「鬼婆」の乙羽信子。こんなギラついた表情が出来る女優はもう邦画にはいない。
他にもまだまだギョッとするようなカオを見せる女優がいるのだがこのへんにしておこう。
工藤静香は若い頃はヤンキーの憧れだったほど儚げな美女だったのだが、現在はこんな具合にさんざんネタにされているくらい劣化が激しい。これも呪術的な表情のひとつで、いにしえの芸術家は同じようなカオから「痩女」という能面を彫り上げたと断言する。
男は若くても老いても大差ないが、女は凄まじいほどに大差がある。
だからこそ痙攣的に美しいのである。
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