山西正則先生は今では月刊COMICリュウにて連載を持っていらっしゃるが、以前は月刊チャンピオンREDで描いておられた。
「ライコネンの熱帯魚」以前は「ちょっと怪しい黒森さん家」がお気に入りで、Kashmir先生とはまた違う不思議系ユルさを愉しんだものだ。
「ライコネンの熱帯魚」は学校に熱帯魚とともに何十年も棲みつく不老不死の魔女ライコネンとセコハラ君の奇妙なラブストーリーで、結構重いものを扱っている割にはユルく、ちゃんと青春しているという不思議な読後感。
山西先生の特色が前面に押し出された傑作の予感がして、チャンピオンREDから一巻目が出た時はほんとうにわくわくした。しかし本誌での連載が中断され未完の状態が長く続く。
これはあくまでも憶測だが、編集からもっとお色気を出せなどと言われたのではないだろうか。お色気が全くないわけではないが、あれ以上一線を越えてしまうと山西先生ではなくなる。それで袂を分かったのであろう。
COMICリュウは1979年に創刊されたリュウの頃から全バックナンバーをそろえているが、リュウの歴史から見て、山西先生にはふさわしい場所である。安彦良和、吾妻ひでお、聖悠紀、柴田昌弘・・・先人たちの後継者にふさわしい作風であるし、不老不死で乙女心を持つライコネンのキャラは明らかに松本零士の世界からの時間旅行者である(異空間を作り出す能力を持っているし)。
現在、水を得た魚のように活躍が目覚ましい山西先生ではあるが、私は「ライコネンの熱帯魚」が未完に終わらなかったことを何より嬉しく思った。
そしてアクアリウムを趣味のひとつにしている私としては、ところどころに散りばめられる専門用語も嬉しかった。笑。
間違いなく傑作である。オススメ!
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