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2013年02月09日18:31

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おしゃれな補聴器を着けよう。

まずは過去日記、「耳らっぱで聴く。」を。

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今日は私と同じ聴覚障害の13歳の少女が親御さんと一緒に会いに来た。
両耳とも90デジベルクラスの難聴だから私と同じなのだが、私と同じように口話教育メインではないので、どうしても手話に頼ってしまう。その際障害者だということを思いっきりアピールするのがイヤだ、耐えられない・・・それで読唇術を極めるために私のところに来たというわけだった。

黙っていさえすれば私はかわいい、と自負するだけあって、堀北真希系の美少女であった。

なるほど、君は読唇術を身につけて自分が障害者だと分からないようにしたいんだ?と筆談で私。いいじゃないですか、そうして何が悪いんです?もうイヤなんです、ああいう風にしたり顔で見られるのが。だから読唇術を教えて下さい。

いやはや、と私。ご両親に向かって「ここまでかわいければ我が強くなるのは無理ありませんな」とぺらぺら喋ると、ご両親はびっくりしていた。普通の人と同じように喋ったからである。
「どうしてそんなにはっきり喋ることが出来るんですか」とお母さん。
「口話教育のたまものです。聾学校だけでなく、家でもみっちり特訓を重ねてましたからね。耳が聞こえなくても音感を磨くという荒っぽいのをやったおかげです」
そこでお父さんも大変興味を持ち、私のやってきた訓練方法をいちいちメモに取っていた。

「でもね、補聴器があって初めて、音楽を楽しめるわけでしょう?重要なのは、そこから出発することなんです。字幕のない邦画やTVドラマ、落語が楽しめないからと負け負けな気分になるより、音が聴こえること自体の悦びを堪能するのを真っ先に持ってくるべきなんですよ。そのためには補聴器を今まで以上に愛する・・・」

と、私は娘さんのデコッた耳掛け式補聴器を指し示した。

「こういう風に補聴器を飾るのは実に女の子らしいし、いいことだと思いますが、これだけでは彼女の我は満足出来ますまい。今まで以上に、さらに補聴器を愛して、音感を磨いて読唇術の高みに達するためには、補聴器そのものを装飾品にしてしまうのも必要です」

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と、パソコンで画像を示したら、少女もびっくりした顔になっていた。
「デコッてみても補聴器は補聴器ですからな。どうしてもコンプレックスが先に来ちゃうんですよ。だったらカタチを根本から変えてしまえばいい・・・補聴器がなかった頃、昔の人は耳らっぱで聴いてたわけですが、美術品並の代物でした」

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「オーダーするのは大変だから、ジュエリー職人にこれらの画像を参考にカバーを作ってもらえば、彼女だけの装飾品になって何かから解き放たれることは確実ですよ」

以上のことを親御さんから手話で伝え聞いた(私は手話がほとんど出来ない)少女は顔を明るくして、ありがとうございますという意味の手話をしてきたが、私が?という顔をするので、深々と頭を下げてきた。
その場で私はベートーベンの「運命」をコピーし、少女に繰り返し聴くようにと指導した。聴いて、色々なイメージが鮮烈に頭のなかに浮かんだら、もう一度来なさい。読唇術をイチから教えてあげます。

そうして三人を玄関まで見送ったのだが、彼女みたいに美少女でなくても、イマドキの聴覚障害者の子はもっと補聴器自体を「魔改造」して、コンプレックスをバネにするきっかけをつかんでもいいのではないだろうか、と考えた。
校則違反、そんなものがあるとすればのハナシだが、校則違反でも好きなようにドンドンやればいい。どうせ(聾学校の生徒の)人数は少ないのだ。思う存分我を貫き通せばいい。
自我というものは強烈な、そして衝動的なものに突き動かされて形作られていくものだ。

それがオリジナル補聴器となって現れるのもひとつの象徴だろう。

追記。
読唇術はクチビルの動きを読むから音感は関係ないとカンチガイする方々が多い。
実は音感あっての読唇術なのである。
例えば、あいうえおはクチビルの動きがそれぞれ違うので音がなくても分かりやすい。しかし、あかさたなはまやらわとクチビルの動きが微妙に違うのを読み取るためには、それ自体の発音を直接聴いてイロイロな特徴を掴むことが必要である。
従って、幼少時の私は補聴器または裸耳(その際は大音量)で落語やクラシックを何度も聴かされて音感を磨いた。
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