冬コミには間に合わないので、来年の春コミに間に合うように、エヴァンゲリオンの二次創作をやってくれないかと馨を通じて依頼があった。
それで東日本大震災で70名余の児童が犠牲になった大川小学校を下敷きにして、綾波レイ以前のゼロ・チルドレン育成計画を「蠅の王」、「漂流教室」のようにやりたいと提案した。
つまり、大川小学校で犠牲になった子供たちをネルフの前身組織が海中から回収して、記憶と肉体を再生させ、ゼロ・チルドレンを彼らのなかから育て上げようというハナシだ。
若き碇ゲンドウ、冬月コウゾウが計画に参加するという伏線もいいかもしれない。
エヴァにおけるアダムとリリスの存在に大川小学校の子供たちがいかに関わっていくか、後に産み出されるエヴァはどのようにして出来上がっていくか、その過程を子供たちの様々な感情とともに展開させていきたい。
イメージとしてはまず、海中に数十名の子供たちの遺体が漂い、その海面に数人の男の子、女の子が一列になって横並びしている図が浮かぶ。背後には日の出とその上にそびえ立つ生命の樹。
ここで依頼者から一体なぜ大川小学校なのかと質問があった。それは未だ我が子の死に納得していない親御さんが、エヴァのなかに我が子を重ね合わせて独自にハナシを作り上げて、無理矢理納得しているというひとつの事例を聞いたからである。他の親御さんたちはもっと現実的に考えるのだが、どうしてもあきらめきれない、怨念のごとき妄執はついに二次元に力を借りるまでに至るのだ。
それを聞いてしまっては、エヴァの世界を丁寧に整理して、受け皿となる物語を作らなくてはなるまいと思った、と説明したら、なるほどと唸っていた。
カウンセリング、というほどではないけれど、子供を失った親御さんの心に喝を入れるために、自分で納得のいく物語を亡き子供のために作り上げさせることは、私が独自に推奨しているやり方だ。
悲しみと怒りはすべて作品となって昇華される。
そうあるべきだ。
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