あちらの友人の話によると、白魔術(この言葉自体久しぶりに聞いた)を使うある女性は、神聖な力を高めるために自分が少女だった頃の部屋を再現し、かつ過剰なまでに装飾しているのだそうである。当時は買えなかった人形で埋めつくすなどして、「部屋」の濃度をあげていくと女性の霊媒の絶対条件である“処女の力”を得られるとか。
お返しに私は知り合いのイタコの話をした。この老婆も霊と通じるために片目を潰しただけでは飽き足らず、やはり自分が少女だった頃の部屋を箪笥のなかに再現し、いたる引き出しのなかにぬいぐるみ、リカちゃん人形、ミニチュア家具があふれかえっている。最初見た時、座敷童がいるのかと思ったくらいの過剰ぶりだった。
これは一体どういうことなのだろうか。
私と友人は少女の部屋の再現、過剰な装飾で濃度をあげることについて、半日もチャットで熱っぽく語り合った。
自らの処女だった頃の記憶を今の心のなかへ奔流させることで、力を取り戻す。
そういう暗示の効果はかなり説得力がある、ということで議論を終えたのだが、東西を問わず少女に共通するものだと知って、実に感慨深いものがある。
私がキラー・バービーシリーズに惹かれるのも、少女の世界が過剰に“展開”されるゆえの、処女の力を感じるからだ。
そして私は従姉のリカちゃん人形を使ったおままごとにつきあわされたことを燃え上がるような感情とともに思い出す。
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