梶原一騎。
「空手バカ一代」を大山倍達の“陽”とすれば、「カラテ地獄変」は大山倍達の“陰”である。
前者だけでも潰れたキンタマの描写などがエグイのだが、後者はそういう血みどろの暴力シーンだけではなく、大山倍達がいかに極悪人かを赤裸々に描いているのだ。
極悪にして最強。この二つがそろった人間ほど、絶対的なものはない。
主人公の牙直人は、大山倍達をモデルとした大東徹源を師としてカラテの腕を磨くのだが、世界じゅうに支部を置くための鉄砲玉に仕立て上げられてからは、壮絶な日々を送ることになる。
このあたりの暴力の突き抜け方は、「空手バカ一代」や「あしたのジョー」、「巨人の星」などにみられるような熱血性は全く皆無である。
眼球をえぐり、キンタマを蹴り潰し、脳天を殴り潰す・・・ただ、生き延びるために。
「グラップラー刃牙」で知られる板垣恵介先生も子供たちにそれなりのトラウマを与えたようだが、「カラテ地獄変」に比べたら全然生ぬるい。
大山倍達にイチバン近かった表現者、梶原一騎。
大山サイドがいくら否定しようとも、結局、梶原は大山を誰よりも理解していたのである。
善悪の区別なく、人生を生き延びる達人として・・・
いつでも死ねる!!
こう言い切る大東徹源(大山倍達)のニヒリズムは、6歳のうちに嘗めておくべき生の呪文だ。
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