イラストレーターのなかには、それまで抱いていた強烈なイメージを破壊して、さらなる強烈なイメージを植え付ける描き手がいる。
まず。
メアリー・シェリーの原作「フランケンシュタイン」は、俳優ボリス・カーロフによって、彼のメイクが永遠のイメージになった。
ところが、私のなかのカーロフ+フランケンシュタインをトップから引きずり下ろしてしまったのが、今回紹介するリンド・ウォードである。
http://en.wikipedia.org/wiki/Lynd_Ward
アメリカのイラストレーターで、ウッドカット、即ち木版画家として知られている。水彩画も描いているが、ウィリアム・ブレイクと同じようにその作風は、
神がかっている。
初めてリンド・ウォードによる「フランケンシュタイン」の挿絵を見たのは、中学生の時で、角川文庫版の文庫本だった(現在でも入手可)。
木版画の荒々しいタッチのなかから、怪物の呻き、苦悩、激情がストレートに伝わり、怪物の哀しさに胸を締め付けられ、中学生の私は思わず涙したものだ。
それ以来、リンド・ウォードの画集をアメリカから直輸入したり、挿絵を手がけている他の本を買ったりして蒐集したが、最高傑作はやはり「フランケンシュタイン」であろう。
意外と我が国ではあまり知られていないので、この機会にみなさんもその画業に触れてみてはいかが?
次回は、幻想と怪奇のパルプマガジンにおいては代名詞的存在であった、ヴァージル・フィンレイです。
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