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2009年09月19日23:21

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グロテスクと哄笑の果てに。 映画「紅閨夢」を観る。

先日、ヒルダは私のライブラリーのなかから映画「地獄に堕ちた勇者ども」を観た。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=9703



かなりショックを受けたけれども、そのショックが心地よい、今度は日本のショッキングな映画が観たいというので、今回は武智鉄二の「紅閨夢」を見せた。

フォト


http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=141275



武智鉄二といえば。
「白日夢」、「華魁」で知られているエロスの映像作家だ。
その初期の傑作が「紅閨夢」である。
ごらんの通り、秘宝館を思わせるケバケバしさなのだが、ストーリーも見た目以上にケバケバしくて、ほんとうに観る人を選ぶ。

だが、主演の茂山千之丞といえば、現在では能狂言の重鎮だし、踊り子を演じたアンジェラ浅丘は、日劇ミュージックホールのスターだった。おまけに、奇怪な踊りを踊る脇僧役は、あの暗黒舞踏の開祖、土方巽である。

「紅閨夢」を初めて観たのは、中学生の時であった。市川駅南口のアーケードの隅っこにあった裏ビデオ専門店で、トレイシー・ローズのポルノ映画とともに「華魁」を買ったら、店主の老ヤクザがコレも見ておけと「紅閨夢」をサービスで付け加えてくれたのだ。
一夜にして、トレイシー・ローズのムチムチした肢体のエロスなど吹っ飛ぶ、魑魅魍魎のエロスの毒にすっかり侵されてしまい、私はグロテスクと哄笑がセットになっていないと昂奮出来ない心身になってしまった。

このへんの昂奮は、「愛の嵐」でも感じたし、「地獄に堕ちた勇者ども」でのヘルムート・バーガーの女装でも感じた。
もちろん、パゾリーニの「ソドムの市」でも感じまくった。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=18957#1



決して、日の光を浴びることのない、闇の中へ走り去るためのエロスこそが最も昂奮するものであり、その猥雑さのなかにこそ自国のほんとうの姿が見える・・・

そういう風にヒルダに説明したら、真剣にノートにメモしていた。

最後に、澁澤龍彦の「スクリーンの夢魔」から次の言葉を引用しよう。

“微湿的なエロティシズムが社会全体に充満するのは、大衆社会固有の現象だが、こいつを突破して、衰弱した芸術作品を立ち直らせる本当の活力をつかむのには、それなりの苦心が必要なんだ。しっかりした方法意識をもって、もっとエロ・グロ・ナンセンスに徹しなければいけない。悪趣味に徹しなければいけない”

武智映画に対する澁澤の不満なのだが、それは理想なのであって、私は理想に向かって突き進む泥臭さそのものにもエロスを感じて昂奮する。
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