mixiユーザー(id:1640816)

2008年04月18日23:47

269 view

黄昏の後に来たるもの、あるいはフリーチベット狂想曲。

向 晩 意 不 適

驅 車 登 古 原

タ 陽 無 限 好

只 是 近 黄 昏


李商隠 「楽遊原」


私の現在の心境は、まさしく、この詩の通りである。

晩に向んとして意適わず
車を駆って古原に登る
夕陽無限に好し
只是黄昏に近し

・・・・・・

今回の。チベットを巡る全世界の動きに関しては、私も映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」で中国共産党の暴虐を知って以来、チベットに自由を!!と叫ぶ側に回ったのだが、ネットで毎日のように吹き荒れる「中国人はクソだ」、「チャンコロのくせに」などの低脳極まる問題点のすり替え、拡大化、間違いもいいところの勝手な解釈ぶりに、心の中のもやもやは日を数える度に濃くなっていった。

お寺においても。

宗派を超えた、超宗派の若い僧侶たちで連絡を取り合う、フリーチベット派から毎日のようにデモがどうの、在日チベット人たちのために景気のいい文章をと言ってくるのだが、私はチベット独立のために熱くなったわけではなく、あくまでも共産党の今回の暴力行為に抗議の声をあげただけなのだ。

だから、ネットにおいても、私はハンドルネームの後に、フリーチベットをつけたことはないし、これからもつけないだろう。

僧侶をやっているネット仲間にトンパチなのがいて、私が多くの中国人との交友関係にあることを知って、例のチャンコロの肩を持つのかと執拗な攻撃をしてきたのには、ほんとうに閉口した。
おかげで、ここmixiでも中国関係の方々とやりとりが出来なくなったくらいである。

確かに、私には数多くの中国の友人がいる。
しかも、瀋陽の友人はバリバリの共産党員だ。
しかし、私と交友関係にあるのは、政治的な理由ではなく、中国文学としての漢詩において、お互い知識を深めようという理由からきている。

それを、ただ、中国だからという理由で、我が国の恥をさらに上塗りするような差別用語でもって、ギャーギャー騒ぎ立てるのを見ていると、怒りよりも悲しみにうちひしがれてしまう。
だから、李商隠の詩が私の今の心境なのだ・・・

憎むべきは国家。国家の利益のためなら、平然と民を犠牲にするという、全世界の国家に共通するエゴイズムを、私は心の底から憎む。
しかし、それに気づかず、また、気づいてて、国家ごとその国の民を憎む間違った感情を、私は心の底から悲しむ・・・

アメリカにて。こういうニュースがあった。

「仲裁の中国人女子学生がネットで猛攻撃受ける チベット問題」

http://sankei.jp.msn.com/world/america/080418/amr0804181742015-n1.htm

私が例のトンパチな攻撃僧侶を力ずくでねじ伏せていなければ、ほんとうに、私も彼女と同じ目にあっていたかもしれない。
売国奴呼ばわりもされた。
だから、そうとも、てめっちよりも愛国心の強い売国奴なんでえと凹ましてやった。
大体、ネットでの攻撃など、私は少しも気にしないのだが、私には弱点があって、私自身のことよりも、家族、友人をまとめて侮辱されるとブチ切れてしまう。
それで、今回、うまうまと策略にはまって、ケンカを買ってしまったのだが、口喧嘩で勝ったとはいえ、人間的な弱点を突くのも卑劣ながらネット攻撃の常套手段なので、いい加減キレないよう努めなければならない。

さて。善光寺の今回の判断。

これは裏で、私たちのような、僧侶同士の「醜い」喧嘩が荒れ狂っていたこともひとつの要因である。
実に、全国で、アカ同士の、過激派で言う内ゲバみたいな状況が、冗談抜きでネットを中心に吹き荒れていたのである。
上に述べたように、私も巻き込まれてしまった。

個人的に私は善光寺の判断を支持する。その方が、お寺として丸くおさまるからだ。しかし、ハッキリ言って、基本的に「我関せず」の印象は拭えない。
なぜならば、あれで、北京オリンピックに対して、「不支持」の格好になってしまったからだ。
中国の反感を買うのは構わないのだが、北京オリンピックを支持するダライ・ラマの意志には反してはいないだろうか?
だから、「北京オリンピックは支持すれども、重要文化財としての当寺の安全確保のためにリレーの出発点を辞退する」と大きく、しつこく、アピールするべきだった。

予想通り、中国をひっくるめてチャンコロ扱いする下等な輩が、銘々勝手に盛り上がってしまっている。

ああいう連中には、決して理解出来まい。
ダライ・ラマがなぜ、チベット問題の中心人物でありながら、独立を叫ばず、中国との話し合いにこだわり、北京オリンピックを支持するのか・・・
加えて、なぜ、世界的なスターであるジャッキー・チェンがリレーの走者を辞退せず、それどころか、邪魔する者はカンフーで撃退すると発言したのか・・・

二人とも自分が生まれ育った国を愛しているからである。
国家とは関係なしに。
当然だろう。
私だって、我が国が昔のように中国人を殺しまくった上で、東京オリンピックを開催したとしたら、中国人を虐殺した日本政府に抗議の声をあげつつ、オリンピックは心の底から支持するだろう。
国家の祭典ではなく。
人間たちの限界を競い合うスポーツの祭典なのだから。

そういう意味で。
レニ・リーフェンシュタールが撮った、ナチスのオリンピックのドキュメンタリー「オリンピア」を映画芸術のひとつとして、私は尊敬しつつ愛している。

単純な話。
私は北京オリンピックで、福原愛選手が中国の強豪を泣かすのを観たい。
そのために、血のにじむような努力を続けているスポーツマンたちを、勘違いした感情の沸騰でかすませてはならない。
断固として。


ちなみに。
私の祖父、父は、中国人が大嫌いだった。
朝鮮人も含めて、みんな「第三国人」と呼んで軽蔑していた。
でも、中華料理、朝鮮料理は大好物で、「今日はなんちゅうか、ほんちゅうか」とか何とか言いながら出前にラーメンやチャーハンを取っていた。
これが実のところ、庶民の当たり前の感情で、蔑視する対象はあくまでも国家であって、一緒に生活している目線が同じ人間なら、食べるメシも同じように美味いのだ。


これ以上、視界を真っ暗にしては、ますます人間をやっているのが悲しくなってしまう。
0 7

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2008年04月>
日 月 火 水 木 金 土
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930