mixiユーザー(id:1640816)

2008年01月05日23:23

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白い恐怖のこと。

子供の頃、猿がとてつもなく怖かった覚えがある。
そのおかげで、小学校の遠足で日光へ行った時、猿に背中から飛びかかられた瞬間、簡単に精神のタガが外れて、背中の猿を一本背負いで地面に叩きつけてやった。
一体、猿の何が怖かったのか。
その原因が全く分からないまま、今日に至ったのだが、三十年近く経った今、ようやく原因が分かった。
それまでは、レ・ファニュの「緑茶」(創元推理文庫「怪奇小説傑作集」第1巻収録)のせいかと思っていたのだが、ほんとうはテレビでやっていた映画が原因だった。

註)レ・ファニュの「緑茶」は、猿の悪霊に憑依「されていると思い込んだ」男の悪夢を描いた物語である。非常に怖かった覚えがあるので、初読の印象が強烈に焼きついたせいと思ったのかもしれない。

その映画とは。

「白い恐怖」。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=11215

フォト


ヒッチコックの作品の方ではなく、「恐怖の酷寒地獄・雪山宇宙研究所の謎」などと仰々しいサブタイトルで放映された、東京テレビでのテレビ映画である。
小学生の頃は、ベリヤーエフを始めとする、今読んだら懐かしさで胸いっぱいのレトロなSFにハマッていたのだが(その中でも、「生きている首」、「光る雪の恐怖」はよく覚えている)、「白い恐怖」の後味の悪さは、ほんとうに起こりえる現実感そのものだった。

註)レトロなSFについてはこちらを参照されたし。

http://www.iwasakishoten.co.jp/products/series_323_1.html

解説を以下に引用しよう。

「雪の山中にある研究所から連絡が途絶えた。原因究明のために赴いた二人の科学者はそこで奇怪な現象に出会う。いつのまにか窓が開いていたり、温水器が凍結させられていたりと凍死を引き起こしかねない事態が続き、二人は互いを疑い始める。そこには彼ら以外実験用のサル達しかいないのだ・・・」

そう、犯人は実験用の猿だったというオチで、ラストで主人公たちの目の前でゆっくりと扉を閉めるチンパンジーの眼差しが、当時の私の心の琴線にひどく響いたというわけである。

分かってみればスッキリ、これで長年のモヤモヤがきれいさっぱり氷解したといきたいところだけれども、今でも「野生ではない」ニホンザル、チンパンジーと真っ向から向かい合ってみたらと考えると、凍りついてしまう私がいる。
キングコングとなら気持ちよく闘えるのだが、人間と同じく悪意と殺意に満ちた暗い心を持つ彼らは、まさしく恐怖そのものだ。
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