私もかなりの変わり者と自認しているが、檀家の中にも変わり者が何人かいる。
そのうちのNさんという方。
この方はデスマスクを取って、死後、自分の部屋に飾ってもらいたいのだそうだ。
それで、私はここを紹介してあげた。
http://www.alles.or.jp/~mk2/index.html
デスマスクの老舗というやつで、依頼すれば作ってもらえる。ただし、死後。生前だとライフマスクになってしまう。しかし、Nさんの家族はデスマスクの制作に反対で、頼むから静かに成仏、消滅してくれという気持ちらしい。
分からないでもないが、Nさんの、自分の何かをこの世に残しておきたいという執念も分からないでもない。
そこで、Nさんは、デスマスクの制作の保証を私に依頼してきた。
絶対作ってくれ。でないと、化けて出るよ。
私は化けて出るなら、ちゃんと知らせておくんなさい。でも、ちゃんと作ってあげます。心配しねえで下さいなと言ってやった。
そういえば、オヤジの代で、火葬はイヤだ、剥製にしてくれって騒いでた檀家がいたけれども、ああいう心理は一体どういうんだろうと考えてしまう。
土に帰りたくないのだろうか?
それはつまり、どんな形でもいいから、この世にとどまっていたいってことなのかもしれない。
でも、こうしてわざわざ形から入らなくても、人間というものは、他人の心の中に入り込んで、重く沈み込むことで、いつまでもこの世にとどまることが出来る。
そのためには、デスマスクなんかにこだわっていないで、いかにどれだけ、相手の心に乗り移れるくらい、濃く生きるかということが重要だろう。
物体は塵に帰る。
しかし、記憶は永く残る。
・・・・・・
でも、デスマスクはなかなか面白い遺産ではある。
私のライフマスクはあるが、デスマスクも悪くないかもしれない。
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