去年、渋柿を買って干し柿を作った。これがうまかった。
家の近くに柿がたくさん実っている。渋柿だから、熟しても収穫されず、そのまま木にぶら下がっている。ちょうど道路の隅にあって、どこかの家の庭という雰囲気ではない。かといって、誰も所有していない公有地という感じでもない。
朝早く、誰もいない時に行って、もいでこようかと思った。妻にそう言ったら、怒られた。
「柿泥棒したら別居よ」
「そうか。でも、誰も取らないんやぜ」
「71歳、元高校教師、柿泥棒で逮捕、なんて記事が出たら、即離婚よ」
柿泥棒と言われても気にしないが、この年になって独身に戻るのはイヤだな。
というわけで、素直にJAへ行って、干し柿用の渋柿を探すことにした。ところが、最初の店にはなかった。二店目でようやく見つけ、30個買ってきた。
さっそく皮を剥き、熱湯にくぐらせてから、ベランダに吊るした。去年も作ったから、手順は分かっている。順調にいけば、二週間もすれば食べられるだろう。
あの柿をもいでくれば、タダだったのに、と言うとまた怒られそう。もう少し買ってきて作ろうっと。
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