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2026年09月04日22:52

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50年ほど前の森の歌(8333)

モーツァルトの『レクイエム』の練習が終わったあと、隣で歌っていたバスが言った。

「大学で『森の歌』を聴きに行って、感動したよ」

彼は自分と高校は違うが、同じ年齢。ただし彼は現役で大学に入ったので、学年は一つ上になる。大学で合唱サークルに入ったときの上級生でもある。もっとも、一緒に歌ったのは二、三回あったかどうか。彼は専門課程に進んで忙しくなったこともあったのだろう、いつの間にかサークルに来なくなった。彼の合唱歴はせいぜい1年だったろう。一方、自分は男声合唱団を作り、そちらが忙しくなったのでサークルを抜けた。

同じ仕事(高校教員)だったので、たまに顔を合わせることはあったが、合唱について話をすることはなかった。それが、二年前、石川音楽文化協会の『カルミナ・ブラーナ』を歌いに来たとき、久しぶりに会った。今では彼も合唱団の役員をしている。ただ、火曜日組なので、普段の練習ではあまり顔を合わせない。

その彼が、たまたま木曜日組の練習に来た。そして、いきなり『森の歌』の話である。
「児童合唱団もよかったし、面白かった」
そうか。そんな昔のことを覚えているのか。こちらとしては、もう何十年も前の話だ。しかも、当時一緒に歌ったわけでもない。それなのに、彼の記憶の中には『森の歌』が残っていた。
ふと気になった。「誰にチケットをもらったんだろう?」自分ではないことだけは確かだ。

あのとき『森の歌』の事務局をしていたバスの人も、今は同じ木曜日組にいる。そう考えると、ずいぶん遠いところにあった昔の出来事が、今になって少しずつつながってくる。

合唱を長く続けていると、こういうことがある。何十年も前に別れたはずの人が、ある曲をきっかけに突然目の前に現れる。たまには、こういう昔話に浸る日があってもいい。
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