サッカーの世界的な人気を実感したのは、1990年にイタリアで開催されたワールドカップだった。
前年、青年海外協力隊のハンドボール隊員としてシリアに派遣され、学校やクラブチームで指導していた。テレビは国営放送が2局しかなく、2年目に赴任した地中海沿いのタルトゥースでは、ようやくレバノンの放送も見られるようになった。
ちょうどその頃、テレビでは連日ワールドカップが中継されていた。シリアは出場していないのだが、みんな試合の時間になるとテレビの前に集まり、夢中になって観戦していた。それを見ていて「サッカーは世界共通のスポーツなのだ」と実感したのを今でもよく覚えている。
シリア・スポーツ連盟でもサッカーは別格の存在だった。国内リーグの試合はもちろん、隣の町のクラブチームとの練習試合でさえ観戦は有料だった。
町には立派な体育館はなくても、サッカーコートとゴールは必ずと言っていいほどあった。バスケットボールやバレーボールほど身長に左右されず、ボール一つあれば誰でも楽しめる。ルールもシンプルで、世界中に広まった理由が少しわかった気がした。
とはいえ、個人的にはサッカーは見るより自分でやるほうがいい。もっとも、それは多くのスポーツに共通して言えることなのだが。
さて、ワールドカップも決勝トーナメントが始まった。日本が負けたから逆に肩の力を抜いて大会そのものを楽しめる。予選3試合すべて引き分けながら勝ち上がったカーボベルデが、どこまでいけるのか、楽しみである。
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