我が町会は、一人暮らしか老夫婦だけの世帯が多い。地区全体でも、他と比べて高齢化率は高い。
以前にも書いたが、自分の家の並びだけでも、両隣とその左隣、さらに一軒置いた先と向かいに空き家があり、合計5軒になる。多くは、子どもが外へ出て、残った高齢者が施設や病院に入った後の家である。ここは特に顕著だが、他の町内も程度の差こそあれ、似たような状況だ。
先日、妻が高齢の方の話を聞きに行った。普通に会話している限りではまったく違和感はないが、家族の話では認知症が進んでいるという。
「お体はどうですか、とか聞けば普通に答えられるから、認知症って言われないとわからないのよ」
そう聞いて、ふと自分のことを考えた。
昨夜、寝る前に練習録音(前後半)をグループLINEに送った。本当は翌日にしようと思ったが、「5分もかからないから」と、そのままベッドに入る前に済ませた。朝になると、「同じファイルが2つ届いていますよ」との連絡があった。パソコンを開いてみると、編集アプリの中に確かに2つのファイルがある。どうやら同じものを別名で保存し、そのまま送ってしまったらしい。
送り直しながら、ふと考えた。これは単なるうっかりなのか。それとも、認知症のはじまりなのか。いや、そもそも「うっかり」そのものが、すでにその兆しなのではないか――。
まあどっちにしても大差ないか。
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