鉄工所のアルバイトに行ったら、いつもの社員がいない。聞くと、会長(前社長)がぼやいた。
「働き方改革で週休2日になって今日は休み。働きたい人が働けんなんておかしいやろ。ダブルワークってのもあるのに」
もっとも、この鉄工所はいまだに日給月給のはずだ。休みが増えれば、そのまま手取りは減る。理想と現実のあいだには、いつも誰かの財布がある。
土曜日、我が家の外壁工事をしている職人(大工)が妻に言った。
「明日は日曜で、明後日は祝日なので2日間は来ません」
なるほど、見事な働き方である。職人は2人。毎朝7時半過ぎに来て8時まで車の中にいる。10時と昼と3時にはきちんと休憩を取り、5時過ぎには帰る。
その様子を見ながら、大工だった父のことを思い出した。朝から晩まで電気をつけて仕事をしていた。休みは「工事がない時」だけ。請け負えば何か月も休みなしだった。それが嫌で、息子の自分は跡を継がなかった。いや、正確には不器用だから無理だったのだが。
時代は変わった。今のような働き方なら、大工も悪くないかもしれない。もっとも、父が聞いたら笑うだろうが。
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