歌わせてもらう、という意識がない人間は、合唱をやる資格がない。
どんなにいい声を持っていようが、その合唱団に合わなければ、ただの騒音だ。
「自分が歌えば良くなる」「歌ってやっている」などという発想は、実力以前に人間性の問題である。
練習や本番のあとに
「いい声ですね」
などと言われて、そのまま真に受ける人がいる。
あれは評価ではない。ほとんどが社交辞令か、せいぜいが無難な感想だ。
そこで
「やっぱり俺は違う」
などと思い始めた瞬間、その人の成長は止まる。
合唱で評価されるのは声の良さではない。
どれだけ周囲に合わせられるか、それだけだ。
音程、タイミング、母音、フレーズ感、指揮への反応。
それらを無視して「自分の声」を出す人間は、合唱にとって害でしかない。
声楽やカラオケなら好きにすればいい。
自分の歌い方で満足できる世界だからだ。
だが合唱は違う。
個性を主張する場ではなく、個性を削って一つの音楽を作る場である。
それが分からず、
「いい声だから参加してやっている」
という態度でいる人間は、遅かれ早かれ呼ばれなくなる。
理由は簡単だ。一緒にやりにくいから。
そういう人を、これまで何人も見てきた。
そして残念ながら、完全に他人事でもない。
だからこそ、あえて書いている。
ログインしてコメントを確認・投稿する